プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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給食減量「体罰」事件-子ども相手の仕事をするなかれ

 10月17日、福岡県宮若市の小学3年生男子とその両親が、福岡県と宮若市を相手取った損害賠償裁判の初弁論が行われた。
 
 訴えた理由は、担任の女性教師が

(1) 男子が給食当番をしないことを理由に2年前から彼の給食量を減らすことを常態化させ、これは肉体的苦痛を与える体罰に該当すること。

(2) 男子に知能指数テストを受けることを勧めたのが、人格権の侵害に当たること。

 の2点である。

 なお、この男子は本当に知能指数テストを受けたのだが、その結果は平均的範囲だったとのこと。

(⇒ RKBオンライン 2023年10月17日記事:給食の減量は肉体的苦痛を与える“体罰”?自治体に165万円求めた訴訟で自治体側は争う姿勢、「知能テスト」を求めた女性教諭は担任から外れる)


 私はこの女性教師の人柄も、男子生徒の行状も、もちろん知らない。
 
 また、これが体罰かどうかと言えば、やはり体罰にはなるだろう。

 腹が減ったひもじさというのは、確かに耐えがたく辛いものである。

 が、それでも真っ先に思うのは、「やっぱり子ども相手の仕事なんてするもんじゃない」という感想である。

 そしてまた、「この女性教師はハズレくじの生徒を引いた」という直感である。

 どんな理由であろうとも、この子どもだけ「給食当番をしない」という時点で、もうその子はハズレくじと判定されて仕方ない。

 会社で言えば、その社員だけ「全社員に定められた仕事・当番をしない」ということである。

 それで彼の処遇が他の社員と同じであれば、国によってはリンチ・暴動が起きるだろう。

 そして、ここが重要なところだが――

 学校教師なんて職業を何十年もやっていれば、必ずやこのハズレくじの子を引く時が来るのである。

 モンスターペアレントなんてのに出くわすことがあるのである。

 これは100%確実と言っても過言ではないと思うが、それがわかっていてどうして教師になろうなどと思うだろうか。

 そして案の定、実際に、教師の志望者数は減少する一方なのだが……
 
 しかしむしろ、今もなお教師を志望する人が何万人もいるというのは、奇跡というか異様だとあなたは思われないだろうか。
 
 たぶん今、日本人に「なりたくない職業」のアンケートを取れば、「学校教師」と「児童相談所職員」は双璧とは言わないまでも、2つとも上位に入るだろう。

 どちらも子どもに関わる職業であるが、この2つが昔で言う「3K」労働、危険極まるハイリスク職業だというのは、もはや日本人の常識と言ってよい。

 日々のニュースを普通に見ている人間であれば、そう思わないはずがない。

 よってこの2つは日本人の意識の中で、当然のごとく「賤業」化していくのである。

 いや、子どもどころか人間に関わる職業ほど――関わる人数が不特定多数であればあるほど――、「そんなことしかできない奴がなる職業」なんて思われることになるのである。

(⇒ 2022年5月21日記事:阿武町誤振込事件への苦情電話のキモさと「電話応対賤業論」)


 さて、あなたは、あなたの子どもたちは、「人に極力接しない職業」という勝ち組になれるだろうか――