プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「紅白」歌合戦終了か-選挙ハガキの男女欄は廃止しないのか?

 日本の年末の代名詞、超長寿番組である「紅白歌合戦」――

 それが2021年の今年は、ついに「紅白」即ち「紅(赤)の女性陣と白の男性陣」のチーム分けが廃止になるかもしれないという。

 もしそうなったとしても、いちおう「紅白」歌合戦の名は残るだろう。

 こんなに全国民に長く浸透してきた名称を、そう簡単に廃止しはしないだろう。

 紅組も白組もどっちも男女混合チームとして、いちおう色によるチーム分けはするはずである。

(どういう基準で分けるのかは、気になるところだが……)

(⇒ 週刊女性PRIME 2021年11月12日記事:紅白歌合戦にも「LGBTQ」と「SDGs」の波! 男女での“チーム分け”に廃止説)

 こういうことになるのは、昨今の世間の風潮を見ればわかりきったことであった。

 これほどLGBTとかLGBTQへの配慮が叫ばれる中、「男と女」の二つだけに区分して勝敗を競う、なんていうのが「古き昭和脳」と指摘されないはずはない。

 さらには、赤を女性に白を男性にすることもまた、輪をかけて「決めつけ」「偏見」と決めつけられないわけがない。

 
 ところで、ここで私が素朴に不思議に思うのが、選挙である。

 選挙の前には、自宅に「選挙ハガキ」が送られてくる。

 投票所入場券とか投票券とか言われるアレである。

 アレにはしっかり、「男」「女」と記された性別欄がある。

 あれはそのままで、いいのだろうか。

 不思議だと思うのは、つい最近も衆議院選挙があったにも関わらず、この選挙ハガキの投票欄について触れた言説が見当たらなかったことである。

 もちろんそういう言説はあるのに、私が知らないだけかもしれないが――

 しかしこれ、全国のLGBTQの人たちにしてみれば、最もムッとくることではないだろうか。

 全国に何千人も、傷ついている人がいるのではなかろうか。

 それがどうして、ヤフーニュースに載るような声にならないのだろうか。

 そしてまた、選挙の投票者を男と女に分けることに、どれほどの意味があるのだろうかとも同時に思う。


 断っておくと私は、世間がこういう(男女の区別を付けるべきでないとする)風潮になってきたのを批判しているわけではない。

 むしろ「面白い時代になってきたもんだ」と思う方である。

 その上で、素朴に思うのであるが――

 もし国として社会としてLGBTQの人たちへの配慮が重要だと思うなら、まず選挙ハガキの男女性別欄を廃止すべきではあるまいか。

 
 たぶん投票者を男女に分ける意義として、女性のハガキを男性が持って来たら「なりすまし投票」「ウソ投票」「二重投票」になるということがすぐわかる、という効果もあるのだろう。

 しかしそれって、「外見で男か女かを判断する」という「してはならないこと」に抵触するのではないか。


 もう一つ、投票者を男女に分けて集計すれば、男性の投票率と女性の投票率を算出できるということもあるだろう。 
 しかしこれも、そうやって性別を分けて投票率を集計すること自体に何の意味があるのか――

 男の方が女の方より投票率が高い低いとわかったからってどうだというのか、

 それは人の好奇心に訴えるだけではないのか、

 ということにもなりそうである。

 
 いっそ国は、そして民間企業も、全ての書類から性別欄をなくさなくてはならないのではないか。

 少なくとも「男・女・その他」に書き換えるべきではないか。

(しかしそうしたらそうしたで、「その他」とは何事だ、ということになるが……)

 
 はたして、この世の何十万種という書式の中の「性別欄」は今後どうなるのか――

 これはなかなか、行方が気になる話である。