プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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セブンイレブンとローソンも成人誌販売中止へ-エロ本もまた「遅れてきた専門チャンネル化」へ

 1月21日、コンビニ大手のセブンイレブンとローソンが、今年8月末までに全店舗での成人誌(エロ本)取扱を中止すると発表した。

nlab.itmedia.co.jp

 
 これについては先例・先駆者があり、すでに2017年にはミニストップが同じことをやっている。

tairanaritoshi-2.hatenablog.com


 ファミリーマートは取扱を止める気はないようだが、やはりミニストップの判断は今となっては「英断」だったことになるのだろう。

 そしていずれファミリーマートも、取扱中止に「追い込まれる」ものと思われる。

 なぜなら今の日本社会は、その表向きの面でますますピューリタン化が進んでいるからである。

(そうしないとすぐ糾弾される。今回の報道だけでファミリーマートは株を下げたはずだ。)


 ところでコンビニのエロ本って、どんな人が客層なのかはなかなかイメージしづらいものだ。

 まさか近所の地元民が固定客というのではないだろうから、やはり出張中や長距離運転の途中といった「流し」の客が、旅の恥はかきすてという感覚で買っていくのだろうか。

 しかし誰が客層かどうかはともあれ、コンビニのエロ本というのは意外にも(田舎ほど)売れているらしいのである。

 察するにもしかして、ネットでエロコンテンツを入手できないような(しかし交通機関で移動することはできる)老人層が、固定客の正体なのだろうか。


 ともあれコンビニからエロ本を――それも結構ドギツい表紙のものが多いのは周知のとおり――撤去するのは、私としては賛成である。

 子どもや女性に不快感を与え客足を遠ざける、

 外国人客の日本へのイメージを損なわせる……

 というのもあるが、しかし今だってエロ本があるから女性や子どもがコンビニを利用しないわけではないだろうし、はたしてそんなことを気にしているのかも疑問ではある。

 また外国人客がコンビニのエロ本コーナーで「OH!」なんて騒いで(はしゃいで)るなんて話も聞いたことがない。

 それより気になるのは、コンビニで働く女性店員のことである。

 客はエロ本コーナーに目もくれなければそれで済むが、アルバイトの女子・女性たちはそうはいかない。

 それはつまり、「女性たちに、ドギツいエロ本を強制的に扱わせる」ことには違いない。

 どちらかと言えばこっちの方が、客のことよりはるかに問題だと思える。

 女子店員はそんなこと気にもしてない、と言われればそうかもしれないが――

 しかしこれ、「お茶くみの強制」など問題にならないくらい大問題ではなかろうか。

 ファミリーマートと言えども、この方面から攻められれば、やはりエロ本の取扱を止めるしかないと感じるのである。

 そうでなければ「利益のために女性従業員にエロ本を扱わせて売っている、破廉恥コンビニ」のイメージが付きかねない。

 
 そういえばテレビ界では、とっくの昔に多チャンネル時代・専門チャンネル化時代が始まっている。

 エロ番組を見たければCS放送でその手の専門チャンネルを契約すればよく――

 エロ本を買いたければ、ネット注文か信長書店・東京書店に行けばよい。

 ではネットも使えずCS放送も契約できず、その手の書店も近くにない「性的弱者」の救済はどうすれば良いか……

 ということが社会問題として採り上げられるわけはないのは、誰にでもわかることである。


 日本のほとんどのコンビニからエロ本が撤去されることにより、

 エロ本界もテレビ界に遅れること数十年、やっと真の「専門チャンネル化」が始まることになるだろうか。

 しかしもし「エロ本時代の販売」が禁圧されるほどピューリタン化が進むなら―― 

 そのときはさすがに、自由の戦士たちが立ち上がるべき時である。

(ただ、世間に支持されない孤独な戦いになるが……)