4月26日、消費者庁はインターネットビジネス会社「(株)イメージ」(東京都渋谷区)が、
「1日15分のコピペ作業でYouTubeの動画配信すれば月50万円が簡単に稼げる」
という虚偽表示で高額な商材を販売したとして、注意を呼びかけた。
そして何と、昨年7月以降に約5000人がマニュアルを購入し、(株)イメージは約4億円の売上があったという。
そして何と(と言うか「案の定」と言うべきか)、月50万円を稼げた人は一人もいなかったというオチがついている。
5000人もいて、1人もである。
まず思うに、単に「イメージ」なんていう一般名詞を社名にしている会社というのは、概して怪しい。
私など、このことだけでその会社を信用する気にならない。
「キラキラネームの人間は、就職活動で不利になる」とよく言われるが、まさにその会社版である。
次に思うに、「ラクして稼げるようなウマい話はない」というのは、文句なく世間の常識である。
こんなことはもう、何百年も何千年も前から言われてきたに違いない。
しかし、にもかかわらず、こういうのを購入する人が5000人もいるのである。
しかもこれは(株)イメージというただ1社だけについてのことで――
ネットを見ていると夥しく表示される同類広告すべてをひっくるめてみれば、どれだけの多数(何万人単位だろうか)がこんなのに “引っかかっている” ものか、空恐ろしいくらいだ。
どうも「ラクして稼ぎたい」「一攫千金を狙いたい」というのは――
人類のDNAに刻みつけられ、連綿と受け継がれていく本能みたいなものに思えてしまう。
「人類は何万年も前から進歩・進化していない」「科学は進歩しても人間は変わらない」
とはよく言われることだが、これがまさにそれである。
しかし考えてみれば、一攫千金を狙いたい人間がこんなにいるにもかかわらず、そのほとんど(本件の場合は全員?)の人は夢も叶うことなく、
悶々とした満たされぬ毎日を送っているということだ。
これは、どんなに良い政治をしても解決不能な問題だろう。
そして人類が「コツコツ努力する」本能を身に着けるのは、気の遠くなるほど未来の話であるかもしれない……