東アフリカでサバクトビバッタが大量発生し、エチオピア・ケニア・ソマリアの畑・食糧に大打撃を与え――
いまや1200万人が食糧危機に瀕している、らしい。
(ソマリアは、今月になって国家非常事態宣言を発した。
ソマリアという国は、普段から非常事態にある国というイメージがあるが……)
そのバッタは遠くパキスタンやインド北西部にまで達し、近々中国にまで到達するのではないかとウワサされている。
なんでもその数は推定4000億匹、1日で3万5000人分に相当する食糧を食っているというから、おそるべき大勢力である。
いま国連食糧農業機関(FAO)は、各国に対策として83億円の拠出を求めている。
(ところでFAOでは、キース・クレスマンという人が「上級バッタ対策官」という職位に就いているようだ。こんな職名、初めて知った……)
(⇒ SmartFLASH 2020年2月15日記事:アフリカで食料を食べ尽くす「バッタ」昆虫食で対抗できるか)
(⇒ AFP 2019年12月28日記事:バッタが大量発生、過去25年で最悪の農業被害 インド北西部)
さて、今回はバッタの大発生だが、日本人には「イナゴ」の大発生の方がよく知られている。
それを難しい言葉で「蝗害(こうがい)」と言う。
そして中国と蝗害と言えば、反射的に「王朝滅亡」「王朝末期」のイメージが頭に浮かぶはずである。
これは現代日本人にとっては、昔の日本人よりはるかに強く印象づけられているだろう。
なぜなら小説・漫画・ゲームにおける『三国志』の普及のせいで――
「イナゴと言えば、蝗害と言えば、中国の王朝滅亡」という速算式が、頭の中でできてしまっているのである。
ゲームの三国志でのイナゴイベントというのは、現代日本の男性陣の多くにとっては、ものすごく馴染み深いものの一つだろう。
ところで、本当に今回の蝗害は、中国に到達するのだろうか。
私は中国蝗害史にそんなに詳しいわけではないが、中国の蝗害はほぼ全てトノサマバッタによるもののはずで――
今回のようなサバクトビバッタが原因だったことは、知る限り一件もないはずだ。
もしアフリカ原産のサバクトビバッタが中国を荒らしたことが今まであったなら、それは歴史的にかなり有名な話題になったはずで、我々もそういう例を一つくらいは知っているのではなかろうか。
もっとも、世は地球温暖化・気候変動の真っ只中である(とされている)。
今までになかったことも、これからはあり得るのかもしれない。
そして、もし今回が史上初めての「アフリカ産バッタの中国来襲」となったとすれば……
少なくとも日本人にとっては、「中国共産党王朝の滅亡」をイメージさせずにはおかないだろう。
もちろんこれは、言ってみればサブカル的なイメージに過ぎないわけだが――
折も折、中国発の新型コロナウイルスが世界を席巻している最中であるから、ますます世紀末・王朝末期的なイメージは強まってしまう。
はたして中国共産党王朝は、日本人がイメージするとおり、中国歴代王朝のパターンに沿って「疫病と蝗害」で滅亡するだろうか。
私としては、中国共産党王朝は早ければ2030年代に滅亡すると思っているので、その可能性もあるだろうとは思うのだが……
(なお、当たり前だが、中国共産党王朝が滅んでも中国人が滅ぶわけでは全然ない。
もちろんその後には新王朝ができるのだ。)