プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「史上最大級の魚竜」化石発見-魚竜の秘める大いなる謎

 イギリス南西部で、体長25メートルと推計される魚竜の化石が見つかったそうだ。

 地球史上最大の動物は、まさにこの現代に生きるシロナガスクジラとされ、その体長は最大34メートルに達するという。

 これに比べれば体長25メートルは見劣りするのだが、それでもクジラ並みの巨大生物だと言っていいだろう。

 今の魚類の中で最大のジンベエザメが体長最大20メートルなのだから、少なくともこれは超えている。

natgeo.nikkeibp.co.jp


 ところで私は、昔から「シロナガスクジラが“史上最大”の動物だというのはちょっと怪しい」と思ってきたものである。

 「記録とは破られるためにある」というわけではないが――

 魚竜の生きた(そして最高度に発展した)ジュラ紀と言えば、陸上では「史上最大の陸生動物(ブロントサウルスタイプの草食恐竜)」が歩き回っていた頃なのだ。

tairanaritoshi-2.hatenablog.com


 陸に史上最大の陸生動物がいるなら、海にも史上最大の海生動物がいるのが自然である。

 その候補としては、まず間違いなく首長竜か魚竜しかいない。

 このどちらかと言えば、より形がクジラに近い魚竜の方だろう……

 というのが理論とも言えないあてずっぽうの理論なのだが、しかし私はやっぱり、史上最大の海生動物は魚竜の中にいると思う。

 体長35メートルとか40メートルとか、そんな巨体の魚竜がいたと思うし、

 たぶんそれは現代のシロナガスクジラのように、海中のプランクトンをヒゲで濾し取って食べていたのだと思う。

 
 なんでもクジラの祖先が水中生活をし始めたのは、今からたった5000万年くらい前からだそうである。

 対する魚竜は約2億5000万年前に出現し、9000万年前に絶滅したとされている。(恐竜の絶滅より2500万年早い)

 その生存期間は約1億6000万年――

 クジラが海に入り始めてから5000万年で「プランクトン食&史上最大級の生物」化したのであれば、むしろ魚竜がそうならなかったということの方が不自然に思える。


 ところで魚竜が絶滅したこと、それも恐竜より早く(つまり隕石衝突とかは原因でなかったわけだ)絶滅したことは、私にとっては昔から大きな謎である。

 当たり前の話だが、魚竜はほとんどサカナそのものの形をしている。

 これ以上海中生活に適応した形態はないはずなのだが――

 他の本物のサカナ類とも充分張り合って行けたと思うのだが――

 それでもなぜか衰退・絶滅し、なぜか首長竜とか「首の短い首長竜」(クロノサウルスとか)の方が長く生存し続けたのだ。

 私にはどう考えても魚竜の方が、「海ワニ」みたいな連中よりはるかにずっと環境に適応的だと思える。


 恐竜の絶滅の真因が「隕石衝突」「巨大火山噴火」だとするなら、これは非常にわかりやすい。

 しかし魚竜の絶滅の真因は、それよりずっと微妙で興味深いもののような気がする。

 それはさておき予言しておくと――

 いつの日かおそらく、ジュラ紀の地層から「史上最大の海棲生物」である魚竜化石が発見される日が来るだろう。

南鳥島付近海底に超大量のレアアース発見-日本が資源輸出国に「退化」する日

 東京大学などの研究チームが、南鳥島付近の海底(日本の排他的経済水域内)に「世界需要の数百年分」のレアアースが埋蔵されていることを確認したそうである。

mainichi.jp


 携帯電話部品などに使われるレアアースの世界供給シェアにおいて、中国が9割を占めているというのは有名な話だ。

 この超独占状態を打破するために、あるいは価格交渉を行うために、誠に喜ばしいニュースである。

 しかし実は、そんなに喜ぶべき話ではないかもしれない。

 冷静に考えてみればふと気づくのだが、資源の豊富な国というのは必ずしも世界の先進国というわけではないからである。

 中国がレアアースの9割を握っているからと言って、それを理由に中国が世界の経済覇権国になると断言する人はいないだろうし、

 原油を大量に生産する中東の国々は、いつになっても先進国の仲間入りができていない。

 それより何より日本人のほぼ全員は、「資源輸出国」と聞けばイコール「ああ、遅れた国ね」とイメージするはずである。

 今の日本は、モノづくりで生きていると言うよりは、むしろ金融収入で生きている国になりつつある。

toyokeizai.net


 それはむしろ「進化」なのかもしれないが、これが「資源の輸出で生きている国」になると聞けば、間違いなく退化・退歩と見られるだろう。

 要するに日本の将来は、第二次大戦後のサウジアラビアみたいな国になるかもしれないのである。

 
 もっとも「中東は原油が出なくなったら終わり」というのも古いイメージで、実際には原油で得たカネを金融資産に(膨大に)投資しているはずだ。

 この点はアラブ首長国連邦の政府ファンド「アブダビ投資庁」が有名で、これは世界最大の投資ファンドである。

 
 もしかしたら50年後、いや20年後の日本は、「レアアース輸出で儲けたカネを金融ファンドで運用する」という、中東じみた国に普通に変貌を遂げているのかもしれない。

 これは別に、意外でも悪くもない未来図なのだろう。

 そもそも、よりにもよってこの極東の日本が世界最大クラスの工業大国になっていたなんてこと自体が、黒船の来た時点ではトンデモない妄想だったに違いないのだから……

加計学園は「首相案件」-ウソは政治家と官僚のたしなみ/やらせたいことがあるなら文書で命じよ

 朝日新聞週刊朝日がスクープした「愛媛県職員が作成した文書」によると、愛媛県今治市への加計学園獣医学部)誘致につき――

 2015年4月に行われた首相官邸での「政府関係者」と愛媛県職員・今治市職員の面談における「政府関係者」とは、

 当時の首相秘書官・柳瀬唯夫 氏だったことが判明したそうだ。

 その愛媛県職員が作成した「備忘録」には、柳瀬氏が「本件は首相案件」と発言したことが書かれていたらしい。

 そういう備忘録があった(しかし現物そのものは確認できていない)ことを、愛媛県中村時広知事も認めた。

 しかし柳瀬氏自身は、この報道の後にも先にも「記憶にありません」と否定している。

dot.asahi.com


 ところでこの「備忘録」、当の愛媛県職員自身かその同僚からでなければ、漏れる可能性がほとんどないものである。

 ということは首相官邸に行った職員自身、少なくとも愛媛県庁職員の誰かが、報道機関にリークしたとしか思われない。

 「そんな計画に乗り気でないのにたまたま担当者にされた」というのは、世の中で星の数ほどある話である。

 たぶんその愛媛県職員の誰かも「こんな計画」に反対であるか反感を持っているか、あるいは安倍政権や自民党を快く思っていない人なのだろう。

 そして地元の今治市役所においても、この件が首相案件だというのは公然の秘密というか常識化しているはずだ。

(こんな話が職員の中で広まらないわけがないだろう。)


 なお安倍首相自身は、加計学園獣医学部新設の話を初めて知ったのは2017年1月20日だったと国会で答弁している。

 しかしこの備忘録が本当のことを書いているのなら、もちろんウソ答弁でシラを切ったということになる。

 少なくとも(今回はこの言葉をよく使うが)、加計学園獣医学部について部下(官僚)に「何かを口走った」ことは確かである。


 もちろん我々は、森友学園問題についてトンデモないウソを数々聞いてきた。

 国税庁長官の日程表は翌日には廃棄しているとか、

 土地売買契約が完結したらそれまでの記録は廃棄することになっている、

 とかをである。

 

tairanaritoshi-2.hatenablog.com

 

tairanaritoshi-2.hatenablog.com


 柳瀬唯夫 氏は、愛媛県職員&今治市職員と首相官邸で会ったのだろう。

 「この件は首相案件です」と言ったのだろう。

 それはきっと、愛媛県職員と今治市職員の出張報告書に書いてあるのだろう。彼らはとっくにそんなこと知ってたのだろう。

 そして安倍首相はおそらく、加計学園獣医学部新設について、何かを口走ったのだろう。


 ただし、安倍首相が「加計学園の話はどんどん進めようじゃないか」と言ったからとて、それだけで疑獄案件になるとは言えない。

 それはまあ首相が先導して地方創生を進めようというのだから、個別具体的な案件について首相が「どんどん進めよう」とか言うというのは、必然というか自然なことである。

 会社の社長がトップダウンで改革を進めようというとき、個別具体的な事案に社長が口を出さない/出してはならない――

 というのは、ほとんどあり得ないことではなかろうか。


 僭越ながら安倍首相の失敗は、その個別具体的案件というのが、自身と親しい「お友達」の案件だったということである。

 むろんこれとて、親しい人の案件に口添えしたくなる/してしまうというのは、これまた自然な話と言える。

(そりゃ、知りもしない人の案件について、首相が口を出す動機なんてないだろう。)


 しかしながら世間は、その自然な話というのを許さないものだ。

 だから本人も隠そうとして、ウソにウソを重ね続けざるを得ないという “ウソ地獄” に陥ってしまう。

 
 そしてもし本当に安倍首相に「自分はこんなことに口利きした憶えはない」というなら――

 やはり問題は、トップの口走ったことを「そのままフォローして(忖度して)走り出すのが人の道」というような、日本人に広く染み渡る封建道徳心にあるのだろう。

 この民主主義の世の中でも、殿様・将軍様の「お言葉」や「ご意向」を奉戴しなければ人間じゃない、なんて考えは、いまだに日本人の道徳心となっている。

 30年くらい前ならこれもまた「日本の強み」とか言われたのだろうが――

 別にそんなのはたいした強みでもなかったのは、世界経済における日本の凋落で、もう明らかに思われる。


 最後に一つ。

 トップの意を受けて何かしようとするなら、それは「ほのめかし」とか「口頭」ではなく、

 何が何でも「文書」によって命令を受けるべきである。

 そういう文書を作成するのが、秘書官だの秘書課だのの仕事のはずである。

 しかし、トップに対して「文書で命令を出してください」と言える会社(その他の組織)というのは、日本では圧倒的に少ないのだろう。

(たぶん、あなたの職場もそうである。)

 よって日本の夜明けは、まだまだ相当遠そうに思える……