これは、今年最大の超ビッグニュースではないかと思うのだが――
12月3日、アメリカ議会下院の特別小委員会はその最終報告書を公表し、「新型コロナの発生源は中国・武漢のウイルス研究所、その事故によるもの」と見られると結論付けた。
(⇒ 産経新聞 2024年12月5日記事:米下院小委、新型コロナは「武漢の研究所起源」と最終報告 中国は反発
(⇒ 現代ビジネス 2024年12月4日記事:アメリカ諜報機関が狙う「新型コロナ起源説」で習近平、万事休すか…!中国を丸裸にする次期CIA長官の「ヤバすぎる履歴書」)
もちろんこの「武漢ウイルス研究所発生・流出説」は、新型コロナが認知された直後から言われていた説であって、全然目新しいものではない。
しかし、もしこれが(噂どおり)真実なのだとしたら、天地を揺るがすようなものすごいインパクトである……
が、どうも新型コロナは既に過去のニュースでありオワコンであると思われているものか、そこまで大きな反響は呼んでいないようだ(と、私は思う)。
その要因の一つには、この結論が「中国に罪ありき」としたい傾向にある「トランプ派の共和党」に多数を占められた小委員会によって出されたものだ、という点がある。
というか、みんなそう思うのではなかろうか(笑)
しかし、この結論がほとんど完全に科学色ではなく政治色に染められたものであったとしても――
だからと言って「中国のウイルス研究所が発生源」だと世界に向かって公表するのは、相当の思いきりが必要なことにも思える。
その意味で言うとやはりこの報告書は、科学的根拠に基づく最終結論と言うよりも、次期トランプ政権の対中姿勢を鮮明に示したものと言えるのではなかろうか。
私個人としては、新型コロナの起源が中国・武漢にあるのは間違いないとしても、それが自然由来・自然発生である可能性は大いに高いと思っている。
私は武漢どころか中国のどこにも行ったことがないが、その野生動物市場とかいうのはなかなかにカオスな魔窟めいた所らしいので、何が起ころうと何が発生してもおかしくはなさそうだと感じるのである。
ところがアメリカに名指しで「原因者」扱いされた中国の方は、逆に「新型コロナはアメリカ起源」だと主張しているらしい。
さすがにこれはいくら何でも無理筋で、こんなことを言ったらますます世界が中国を見る目がヘンになってしまわないか、逆に心配になるほどだ。
しかし、何と言うか……
中国は日本に「歴史戦」を仕掛けていると、よく言われる。
これは日本が過去いかに中国に対し(世界に対し)悪いことをしたかを言い立て、責め立て、優位に立とうとすることを言うのだが――
因果応報、因果は巡ると言うべきか、今度は中国がアメリカに「新型コロナを世界に蔓延させた」罪を問われて糾弾される、最新版歴史戦を仕掛けられていることになるのだろうか。
そして、新型コロナも既に過去の歴史の1ページとなり果てたのかもしれないが、第二次世界大戦のように何度も何度もめくられるページとして今後も生き続けることになるのだろうか。