「ちょっとビックリニュース」というのがあるとすれば、これがそれだろう。
現役の日本共産党員かつジャーナリストの松竹伸幸 氏が、共産党から除名処分を受けたというのである。
松竹氏は今年1月に自著『シン・日本共産党宣言』を出版し、党首公選制の導入を求めていた。
また、同じ1月19日には記者会見を開き、現委員長である志位和夫 氏の在任期間が22年を超えていることを指摘し、「国民の常識からかけ離れていると言わざるを得ない」と言った。
これが『党の内部問題は、党内で解決する』という党の規約を踏み破るものとされ、除名処分に至ったという。
これの何がちょっとビックリなのかと言って、共産党のことをよく知らない国民は――
つまりほとんどの国民は、共産党って当然のごとく党首は党員選挙・党内選挙で選んでるんだろう、と思っていただろうからだ。
ところが、そうじゃないのである。
そして志位 氏は、そう言われてみれば共産党のニュースではいつもこの人ばかり映されるのだが、もう22年も党首をやっているというのが次のビックリである。
さらには、党首を公選したらどうかという提案をした「だけ」で反逆罪みたいな扱いになるというのが、最後のビックリだろう。
今の政権与党の自民党も、国民からの評価・評判が高いとはとても言えないと思うが――
しかしこの共産党に比べれば、はるかに包容力があって自由で民主的な政党だということになりそうである(笑)
とはいえ今回の事件、共産党はやはり共産党であった、これでこそ共産党、と、ある意味ホッとした人もいそうである。
共産主義と言えばもちろん民主主義の一種であるはずなのだが、
しかし現実には世界中の古今東西の共産党というのは、判で押したように
「最高指導者の長期在任」(しばしば終身在任)、
「何か提案した人への排撃」
「選挙なし、あっても投票率99%のシャンシャン選挙」
となってしまうのは、これこそが実は共産主義の真髄だということなのだろうか。
私には、こんなことしたら共産党の株が落ちるというのは、共産党員の全員が当然にわかっていることだと思える。
しかしそれでもやらねばならぬ、やらねば収まらないというのが、共産党と呼ばれる政党の宿命みたいなものなのだろうか。
思うに、格差拡大の今こそ共産党の党勢拡大の大チャンスのはずである。
「資本主義が行きつくところまで行ったとき、ついに共産主義革命が起こる」
としたマルクスの予言が成就するのは、まさにこの時ではないかとさえ思う。
草葉の陰でマルクスとエンゲルスが泣いている、百年くらいずっと泣き通しており、これからもずっと泣きそうだ……
そう感じるのは、私だけだろうか。