2021年は明けたばかりだが、世界はまるで世紀末である。
コロナ情勢の悪化は留まることなく、日本では連日「感染者が過去最高値」を更新し、ついに1都3県に緊急事態宣言が再発令された。(1月8日~2月7日)
イギリスの首都ロンドンでは市長が「コロナの感染拡大は制御不能の状態にある」として重大事態」を宣言した。(1月8日)
アメリカでは(大統領選で敗北した)トランプ大統領支持者らの大群衆が連邦議会議事堂に乱入し、警察官1名を含む死者5人が出た。(1月6日)
これを受けツイッター社は、トランプ大統領が暴動を扇動しているとして、そのアカウントを永久停止処分とした。(1月9日)
フェイスブックもまた、そのアカウントを無期限停止処分としている。(1月7日)
そして(コロナのおかげで?)しばらく動静にあまり関心が持たれなかった北朝鮮は――
「我々は最大の敵・アメリカを屈服させる」として、首都ワシントンを射程内に収める核ミサイル開発を進めることを宣言した。(1月9日)
いやもう、この一つ一つが大問題であり、年初からこんなことでいいのかと思うような目白押しである。
人類滅亡のはずだった1999年から22年後の今、ようやく遅れてきた世紀末が始まったのだろうか。
特に北朝鮮の動向は、バイデン次期大統領に真っ向から敵対するような姿勢であり、注意を引く。
おそらくバイデン政権のうちに、アメリカは北朝鮮に何らかの軍事行動を起こす可能性濃厚である。
アメリカがこんなに(トランプ派と反トランプ派に)分裂しているのに、
そしてコロナの真っ最中なのに、
そんな行動には踏み切れないという見方にも一理はあるが……
しかし国内が分断されているからこそ外国に対して戦争を起こすというのは、(ほとんど誰でも知っているほどの)非常によく知られたパターンでもある。
そしてまた見方を変えれば、これは21世紀型の「無人化戦争」を試すのにこの上ない機会ではあるまいか。
アラスカが核弾頭の射程内に入るのとワシントンが射程内に入るのとでは、アメリカ人的にワケが違う。
むろんそんな長距離の核弾頭がいったん配備されてしまえば、
北朝鮮もまた核抑止の枠内に入ってむしろ核戦争は起きないだろう。
だがそうなる前に、たとえばイスラエルだったら先制攻撃して核施設を破壊してしまうはずだ。
「アメリカが民主党政権になると、大きな戦争が起こる」
というのは、これまたよく知られた(完全に正確ではないにしても)法則ではある。
今回の北朝鮮の宣言により、アメリカは先制攻撃の口実を手に入れたとも言える。
どうやらここ最近、世界の話題的にすっかり影を潜めていた北朝鮮……
ついにいよいよ本当に、風雲急を告げてきそうな雰囲気である。