「またしても」スペインで彫像の修復に失敗した、というニュースが入ってきた。
今度は1923年製の銀行建物の女性彫像の顔であり、一目見て凄まじいまでの失敗だとわかる。
この手のニュース、なぜかいつもいつもスペインばかりが発信源である。
もはやこれ、スペインの国技ではないかと言いたくなるほどだ。
上記引用記事中では、
> スペインで芸術作品の修復にあたっている団体からは「プロの仕事ではない」と厳しい意見が突きつけられた。
と書いてあるから、一応その方面のプロはいるらしいのだが――
しかしそういう「プロ」には依頼はせず、「絵が趣味です」「彫刻が趣味です」みたいな素人に依頼するという状況になっているようだ。
それはなぜかと言えば、たぶんプロに頼むのは高いのだろう、と推測される。
しかしそれは予算の都合で仕方ないとしても……
本番前に「テスト修復」させて腕前を見る、ということくらいはして良さそうなものではある。
いや、その人の腕前というのは、これまでにもうだいたいわかっているものではなかろうか。
だからこそ依頼するのではないか。
スペインには何か、そういう当たり前が当たり前でなくなるような、特殊な事情があるのだろうか……?
それはともかく、ここにはビジネスチャンスがありそうな気はする。
たとえば日本にもアメリカにも「修復のプロ」という人は何人もいそうだが、
スペインで広告を打ってみる(スペイン語サイトを作ってみる)というのも一興だろう。
(とはいえ、そんなことくらいとっくにやっていそうなものだが……)
あるいはまた、こういうことこそAIだの3Dプリンタの出番だと思うのは、素人考えだろうか。
パソコンに元データを取り込んで肉付けし、そのとおり彫っていく機械というのはすぐにも作れそうだし、今すでにありそうなものだが、これも素人考えなのだろうか。
むろんこれらには、それなりの費用がかかるだろう。
だから、スペイン人の大半が「修繕なんかにそんなにカネはかけられない」と思っているのだとしたら、
それが国民的合意のようなものだとしたら、もう何も言うことはないのであるが……