例の検事総長候補者で定年延長問題の渦中にある東京高検検事長・黒川弘務氏が――
コロナ緊急事態宣言の最中、産経新聞記者・朝日新聞社員(元記者)と賭けマージャンをしていたというのだ。
(⇒ 朝日新聞 2020年5月20日記事:黒川検事長、緊急事態宣言中にマージャン 週刊誌報道)
なんでも5月1日夜から2日未明の間、黒川検事長は東京都内の産経新聞社会部記者の自宅マンションを訪問。
そこには別の産経記者と、元記者である朝日新聞の社員もいた。
そして黒川氏は、同月13日夜にもこの産経記者宅を訪れた。
さらに黒川氏は、産経記者が用意したハイヤーで帰宅したという。
私はマージャン自体をしたことがなく、だからかもしれないが、マージャン自体が前時代的なものだという印象を持っている。
そして今回のスクープ報道の内容は、古色蒼然と言っていいほど前時代的な「癒着」の光景ではなかろうか。
まず私には、検事長ともあろう者が「新聞記者の自宅に遊びに行く」というのがわからない。
あなたはたぶん、取引先の懇意な人の自宅にも遊びに行ったことはないだろう。
ましてや新聞記者の自宅に行くなんて、これはもう思いもよらないことである。
また、寄りにもよって「産経新聞記者2人」と「朝日新聞社員」がマージャン卓を囲む、という光景も、なかなか笑いを誘わないだろうか。
この2社が犬猿の仲である(とされている)ことは、極めて有名な話なのだ。
そして彼らが渦中の検事長と何をしているかと言えば、賭けマージャン。
今は本当に令和なのか、昭和の綴り間違えじゃないのか、と錯覚してしまいそうではないか。
どうも日本の上層階級や中枢部では、庶民の世界と時代の流れがかけ離れている――かけ離れて遅れている――と、思わざるを得ないではないか。
私にはこの報道、「密防止に反する」とか「検事長が賭博かよ」とかいう点より――
「渦中の検事長」と「朝日新聞」「産経新聞」が結局は仲良く癒着してんじゃねーか、という点の方に注目が行く。
つまるところ、日本の中枢(か、それに近い部分)というのは、この程度のもんなのだろう。