プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「首から掛ける空間除菌剤」を買うニホン族の奇習

 新型コロナウイルスでマスクが品薄だからって、それに代わる「ウイルス対策としての空間除菌剤」が店頭に並び始めているらしい。 
 しかし(もちろん)そんな効果はあるわけがなく、消費者庁は注意喚起を行っているとのこと。

 この「首から掛ける」空間除菌剤なるものは、いま初めて売られ始めたのではない。
 周知のとおり、ずいぶん前から多くの店で売られている。
 そして実際、それを首から掛けている人もちょくちょく見かける。
 たぶんこれは、世界の中で日本だけの現象だろう。
 いや、「ニホン族の奇習」と言った方がいいかもしれない。
 ニホン族には、あれで菌やウィルスを避けられると――いくらかでも効果がある、例によって「しないよりはマシ」と思っている人が、商業ベースに乗るくらいたくさんいるのである。
 
 そもそもマスクからしてそうなのだが、
 そして、先日の記事と全く同じことを書くのだが――
 もしあんなもので菌やウィルスを防げるのなら、国連はアフリカ諸国に「首から掛ける空間除菌剤」を大量配布しているはずである。
 本当に「しないよりマシ」なら、少しでも効果があるなら、必ずやそうしているはずである。
 はたしてこの空間除菌剤というのは、日本の外に輸出されているのだろうか。
 
 本当に効果があるならそれは日本の代表的な輸出財となり、
 それを開発・販売している企業は、マイクロソフトに匹敵するくらい世界的な大会社になっているはずではあるまいか。
 それこそテレビで、例の「日本スゴイ」系の話題としてピックアップされなきゃおかしいではないか?

 しかしまぁ「マイナスイオン」といい、つくづく日本人はこういうのが好きである。
 極東のニホン族は呪術を信じる代わりに、こういうのを進んで買って身に着けるという奇習を持っているのである。(むろん全員ではないが)
 これはやはり、日本人の真の伝統である「ケガレ意識」の現代的現れなのだろう。
 それは疑似科学と言うより、「土俗的科学」とでも名付けるべきだろうか……