プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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香港騒乱2019-中国共産党王朝は定番どおり民衆反乱で滅ぶ?

 中華人民共和国中国共産党王朝)の建国70周年記念日である2019年10月1日――
 香港では、かねてから言われていたように若者ら数万人がデモを起こし、警官隊との衝突が発生した。
 北京での建国記念式典・軍事パレードで、習近平主席は「香港の一国二制度は堅持する」と演説したが、香港人はそれが口先であることをどうしても懸念しているようである。
 もちろんこの懸念は当たり前のことで、いつまでもいつまでも中国本土と香港が別の制度でずっと続く、などということは、あなただって思ってはいないだろう。
 なるほど徳川時代の日本と長崎は「一国二制度」と言えば言えたかもしれないが、それだって当然永遠ではなかったのだ。

 そして永遠ではないと言えば、(あまりにも当たり前のことだが)中国共産党王朝だって永遠ではない。
 このブログでも何度か書いてきたが、私は中国共産党王朝は2049年(つまり建国100周年)までは続かないだろうと思っている。
 これは別に反中国でも何でもなく、今までの中国史を見て単純に感じることである。
 どんな国家も永遠ではなく、中でも中国の王朝はそうだ。
 世界でひとり古代から現代まで続いていると言えるのは、日本の天皇家(ヤマト王朝)だけである。
(アフリカのどこかの首長なども、古代から今に至るまで続いているかもしれないが……)
 
 
 
 中国の王朝が倒れるとき、ほとんど決まって民衆の反乱が起こる。
 もう一つの滅亡パターンは「異民族の侵入」だが、しかし現代で中国本土に侵入する異民族の存在は考えがたい。
 ロシアも日本も南北朝鮮もベトナムも、とてもそんなことはできないだろう。
 となると今回の香港デモなど、かつての民衆反乱の現代版かつ現代における嚆矢とも言えようか。
 そして従来の中国史のパターンから言えば、最初の反乱勃発から王朝倒壊に至るまでの期間は、どれも驚くほど短い。
 たとえ倒壊に至らない場合でも、明らかにその反乱時点からその王朝はめっきり衰退した(そして滅亡に至る)とわかるものである。 
  
 となると「2049年までに現王朝が滅亡」というのは、それでもまだ期間を長く取り過ぎるのかもしれない。

 ただわからないのは、現王朝滅亡後の中国が、短期間の混乱を経て速やかに新統一王朝に戻るのか――
 それとも五胡十六国五代十国のように分裂時代が数十年は固定するのか、という点である。
 これについて私としては、たとえ分裂時代になるとしてもそれは50年くらいしか続かないのではないか、と思っている。
 それこそ五代十国が終わって後、中国は統一中国であるのが常態であったからである。
 
 もちろん統一中国の国力は、日本のそれを上回って当然である。
 そうでない方が異常なのであって、20世紀に日本のGNP(今ならGDP)が中国をはるかに上回っていたなどというのは、まさに異常な時代だったのだ。
 あのポルトガル大航海時代は一時ながら世界的大帝国になったことがあるように、そういうことが世界史では時々起こるものである。
(とはいえ日本だって、アジアの中では伝統的に強国であったし、これからも一応はそうであるだろう。)
 
 2019年の香港デモは、現代の陳勝呉広の乱か方臘の乱か、黄巣の乱か李自成の乱か……
 
 それとも日本の安保闘争のように一時の徒花に終わり、中国共産党王朝は2049年を超えて続くのか、注目である。