浅草神社が、毎年5月の「三社祭(さんじゃまつり)」での特別御朱印の頒布を見送ると発表した。
一部参拝客のマナー違反に、堪忍袋の緒が切れたからのようである。
なんでも御朱印をもらうのに8時間待ちすることもあったそうで、中には神社職員や巫女さんに対し――
●暴言・恫喝また暴力に近い行為に及ぶ人
●1人の職員を取り囲んで罵声を浴びせる人々
●説明をしている最中に大声を出して遮る人
●遠方から来たことを理由に特殊な対応を求める人
●整理券をひったくるように受け取る人
●神社をサービス業と捉えて受付時間の変更を提案する人
●神社が税金で維持管理されていると思っている人
●神社に対して全ての人に合わせた対応・改善を現場やSNS等で求める人
●その時々の対応を批判する人
が、何人もいたらしい。
さて、「日本人は民度が高い」なんて脳天気に誇っている人は、こういうニュースを聞いてどう思うのだろう。
(しかも、こういうニュースはけっこうたびたび報じられるのだ。)
神社でさえこうなのだから、日本の労働環境が(特に労働者の精神環境が)良くならないのは当然である。
加えて思うに、まさにこういう人たちが普段は当の労働者をやっている可能性が非常に高い、とくれば――
労働者が労働者を吊し上げるという、マルクスもビックリの救いようのない新世界がこの日本で実現している、と思うより他はない。
しかし、それはさておくとして――
とても疑問に思うのは、この人たちはネットだのニュースだのを全然見ないのだろうか、ということである。
私には全然そんな趣味はないが、御朱印集めというものが流行っていることはみんな知っている。
それが平成から令和の変わり目、しかも大都会・東京の浅草の神社で頒布するとなれば、ものすごい時間を待たされるのはアホでもバカでも簡単に予想が付く。
現実にものすごい人だかりや列ができているのは、テレビでだって流されている。
思うに、「ゴールデンウィークしかも10連休なら、どこへ行っても人が多いに違いない」としてどこへも行かなかった人は――
日本国民の中でも、かなりの割合を占めるはずである。
それなのに人が多いのをわかってて行くのなら、
大混雑に巻き込まれる、
大行列に並ぶことになる、
数時間も待たされても仕方ない、
なんてことは初めから覚悟するのが当たり前だ。
いったいこの人たちは、そんなこともわからないほど知能が低いのだろうか。
本当にそれほどまでにバカなのなら、本業でもたいした労働者ではなさそうではないか……