プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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今度は「#図書館辞めたの私だ」 その2 恒常的に必要な「臨時職員」っておかしいだろう

 よい人材は、高い給与で引き付けなくてはならない。

 しかし雇う側は、当然なるべく安い給与で雇いたい。

 そして司書や保育士は、現実に安い給与でも応募がある。

 どうもこの種の職種は、雇う側も雇われる側も「主婦のパートのアルバイト」であり給料は安いもの、そういうものだという意識があると思う。

 決して「それで一人で食っていく」「家族を養う」性質の主力職業(主職)とは思われていないはずだ。

 ただ問題はそれであるにも関わらず、正規職員とほとんど変わらない仕事内容・勤務時間であり責任を持たされるという点だろう。


 実際、司書にしろ保育士にしろ――

 「臨時職員」(非正規職員・アルバイト)である彼ら彼女らの勤務内容は、正規職員のそれとほぼ同一のものである。たぶん実地調査をしても、両者の間に違いはそんなに見いだせない。

 それどころか「正規職員は定時で帰るのに、臨時職員は残業して残務を片付けている」(そして残業代は出ない)との現象さえよく耳にする。

 こんな実情でありながら正規職員の方が臨時職員より何倍も給与が高いとなれば、非正規が矛盾を感じて怒るのは当然至極の話である。


 さて、ここで気にならずにいられないのは、「臨時職員」という呼称と地位である。

 これは言うまでもなく、「臨時に雇う」「ずっとは雇わない」ことを意味している。

 地方公務員法第22条によれば、臨時職員の雇用期間というのは「6ヶ月」に限られており――

 ただ一度だけ「6ヶ月以内」に限り更新することができる。つまり最大雇用期間は「1年間」である。法律にそう明記してある。

 しかし我々は、臨時の司書や保育士が「何年勤務しても月給10万円前後から全然昇給がない」などという話を腐るほど聞いてもいる。

 これはいったいどうしたことだろう?


 その答えはむろん、「同じ人間を何年も続けて“臨時職員として”雇用している」ということである。つまり、明白な法律違反をしているのである。

 おそらくそんなことをしている自治体の言い分は、「だってそうしないと仕事が回らないからしょうがないじゃないか」というものだ。

 そして、その言は正しい。

 (別に自治体に限った話ではないが)臨時職員という名の非正規職員がいなければ、今の仕事量をこなせないのは真実である。
 
 しかし、もしそうであるならば――“臨時”職員が“恒久的”に必要であるならば、もはやそれは「臨時職員」ではない。いや、「臨時職員」にしておくべきでないことは明々白々ではないか?

 同一人物である彼・彼女らがもし仕事上必要不可欠であるならば――現場の正規職員はそう主張するに決まっているが――、彼・彼女らは異論なく正規職員にすべきである。

 こう言えば当然ながら、「だってそんなカネがないんだから仕方ないじゃないか」との声が聞こえてくる。

 これもまたその通りであり、だったら彼・彼女らを正規職員にするために(その給与を今の数倍にするために)カネを回さなければならない。

 それはこれまた当然のことながら、「税金を上げる」または「他に使っている税金を削ってこっちに回す」ことを意味する。 

 話がこうなってくるとまた頭をもたげてくるのが、例の「カネをかけずに成果(効果)を出せ/出すべきだ」という言なのである。

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