自民党衆議院議員の白須賀貴樹 氏(千葉13区)が、党厚生労働部会で「マタハラに当たりかねない言動」をしたことを、自ら党の会合で披露したそうである。
何でも自らの経営する保育園で、人手不足だから採用した看護師が採用1ヶ月で妊娠のため産休に入ると言い出したため、「それは違うだろ」と言ったら労基署に駆け込まれて保育園側が悪いことにされたそうだ。
もちろんこれを報じるメディアは、白須賀氏を叩きまくるに決まっている。
当然ながら、これはマタハラ発言である。
なぜと問うも愚かだが、その理由は今の世の中が「そういうことを言ってはいけない雰囲気だから」だ。
しかし実のところ、白須賀氏はむしろ株を上げ、支持層を増やし、得票数を増やしたのではないかと思われる。
(次の選挙までにこんなことを大勢が憶えていれば、の話だが……)
なぜというに、せっかく採用した人にこんなことされて「それは違うだろ」と腹を立てない人というのは、実際のところいないだろうからである。
むろんこの看護師というのは、いわゆる「確信犯」である。
自分が妊娠していてもうすぐ出産するとわかってて就職し、企業の産休・育休制度の恩恵にあずかろうと意図して応募しているのである。
これはホント、中小企業経営者ばかりか職場の同僚も怒り心頭に達して不思議はない。
これをマタハラ発言だと怒っている人も、いざ自分が経営者や同僚の立場になれば、たぶん看護師の方に怒る。
「ふてぇ野郎だ」とは決して思わない、などという人は、ウソつきと断定して差し支えないのではないだろうか?
本当のところ、このニュースを(見出しだけでなく)詳しく読んだ人は、それこそこの頃のネット記事の定番である「共感の嵐」状態になるのではないか?
しかし今の世の中の雰囲気では、決して「白須賀議員の発言に共感の嵐」とは書かれないだろう。
だが実際は、無数の無告の民が、この発言に「そりゃそうだろ」と思っているものと思われる。
「時代の雰囲気」に沿うことが、本当は「人民の心」から離反していくことである――
というのは、今までの歴史で何度も何度も起こってきた。
(そうでなければ、神権政治や絶対君主制が今でも続いているはずだ。)
私は自民党の支持者でも産休・育休自体に反感を持つ者でもないが、しかしこの白須賀議員の発言には、
「そりゃそうじゃないの」
と思うものである。
そしてこれ、「そりゃそうじゃないの」と “本当に、心底から” 感じない人って、はたして何人いるのだろうと疑問に思うものである。
しかしながらこういう問題、いずれ下記の記事のような社会に移行することで、過去のものになるだろう。
そういう社会になる時代は、そんなに何百年も先ではないはずである。