プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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相模原市・障害者施設襲撃事件―戦後最悪の大量殺人と「人生=ババ抜き」説 その1

 7月26日深夜2時~3時頃、一人の男が障害者施設「神奈川県立津久井やまゆり園」に侵入し、入所者19人を殺害・26人を負傷させた。

 男の名は植松 聖(うえまつ さとし)26歳、元この施設の職員。

 勝手知ったる建物での犯行であること、相手が無抵抗の障害者であることを考えても、これだけの人数をナイフのみ(数本?)で殺害するのは異例であり、戦後最悪の大量殺人事件である。

 あの有名な「津山30人殺し」事件(戦前の1938年、岡山県の現・津山市で発生)を思い起こさせる――津山事件もまた、人々が寝静まった深夜の犯行であった。

 そして今回の植松聖。彼は、言葉の真の意味での「確信犯」であるようだ。

 確信犯とは「悪いと知ってて敢えてやる」のではなく、「それが正しいと確信してやる」犯人のこと――

 植松は今年2月14日、衆議院議長公邸を訪れ、障害者を抹殺する内容の手紙を受付に渡そうとした。

 しかし受け取られず翌15日に再度訪問、座り込みまで行なったため、仕方なく警備の警察官が受け取っている。

 その手紙の内容がアレだったことにより、管轄の警視庁麹町署はその日のうちに神奈川県警津久井署に情報提供。

 2月18日には、やまゆり園勤務中に同僚職員へ障害者殺害をほのめかす発言をしたため、翌19日に施設側が神奈川県警津久井署に通報。

 同日中に同署員が本人と面談したところ、「重度障害者の大量殺人は、日本国の指示があればいつでも実行する」と話す。

 なお同じ日、施設側も本人に「そんなのは大変危険な考えだ」と伝えたが、あくまで「自分は間違っていない」と激しく主張、その場で退職届を書いて出したそうである。

 もちろん病院送りとなり、「躁病」と診断されて緊急措置入院に。

 22日の再診察では「大麻精神病」や「妄想性障害」などと診断され、改めて措置入院に。

 しかしその後に措置入院の必要がなくなったと判断され、3月2日に退院した。


 さて、その手紙の内容だが――

 ネット検索して読めるとおり、確かに精神病・電波系の文章である。(そういう人の通例どおり、手書きでもある。)


●「障害者総勢470名を抹殺することができます」

●「本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと考えたからです」

●「外見はとても大切なことに気づき、容姿に自信が無い為、美容整形を行います。進化の先にある大きい瞳、小さい顔、宇宙人が代表するイメージ
それらを実現しております。私はUFOを2回見たことがあります。未来人なのかも知れません」

●「フリーメーソン


 そして(ちゃっかり)「ご要望がございます」として――


●「逮捕後の監禁は最長で2年までとし、その後は自由な人生を送らせて下さい。心神喪失による無罪。

 新しい名前(●●●●)、本籍、運転免許証等の生活に必要な書類、美容整形による一般社会への擬態。

 金銭的支援5億円。

 これらを確約して頂ければと考えております」


 いやあ、何か、さわやかなほど虫のいい要望ではないか。

 こんな男でも「心神喪失による無罪」を念頭に置いているのである。

 まるでドラマのような政府のエージェントとなることを想い、実際にそれを書き、衆議院議長に手紙を渡して確約を求めに行ったのである。

 まさに頭のオカシさと「一般人の思いつきそうなこと」がミックスされた文章であり行動だ。