新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、激しい論争が続いているのが「マスクは感染防止に効果があるのかないのか」だ。
これについては、最近は「マスクは間違いなく効果がある」「(今までマスクをバカにしてきた)欧米でさえ着用するようになった」とする「効果アリ」派が断然優勢である。
もちろん日本においては、ずっと前からこの派が優勢であったし――
今では外国においてさえ、マスクの(国家による)買い占めとか争奪暴動さえも起こっている。
だが、それでも「効果ナシ」派の声は根強い。
しかし肝心のトランプ大統領は、「しなくてもいい」「たぶん自分はしないと思う」などと、ズッコケるようなことを合わせて言っていた。
また日本でも、日本医師会の横倉義武会長は4月3日、
「マスクにウイルス防止の役割はあまりない」
「飛沫を浴びて大量のウイルスが入ることは、少しは防ぐことはできる」
「政府によるマスク配布は、それなりに効果はあると思う。国民の安心をつくるということでは」
と述べている。
つまり、「少しは」「それなりに」効果はある、しかしそれは「気休め」の心理的効果です、と言っているのだ。
そして今現在の、最新のWHO(世界保健機関)の見解は――
●感染者が他人に飛沫感染させるのを防ぐ効果は、各種研究で示されている。
●しかし、健常者が家庭内などでマスクを着用することで一定の予防効果があることを示す「限られた証拠」はあるが、地域全体での着用で新型ウイルスを含む呼吸器系の感染症を予防できる証拠はない。
●マスクを着ければ予防できるという過信によって、手洗いや人との距離をとるなど(もっと確実に効果的な)予防措置がおろそかになる「副作用」がある。
というものである。
ところがどっこい、4月6日に韓国・蔚山大学医学部が発表した論文では、
そして、結果として咳をした後のマスクの内側より、外側の方にウイルスが多かったらしく――
これは、「マスクの外側を触ることの危険性を示している」と述べているらしい。
つまり、マスクをしている間は(もしかしたら)感染を防げていたとしても、それを外すとき(絶対に外すのだ)ウィルスが手に付着し、それでさらに顔に触れて感染する、という次第となる。
そうなると、「家に帰ってマスクを外した後、入念に手を洗う」のが対策になるだろうか。
さらには紫外線が効く(ので、夏になれば猛威が収まる)などという説も出てきている。
はたしてマスクは、ウイルス防止に効果があるのかないのか。
これは人類に降って湧いた、新たな「科学上の謎」の一つになるのだろうか。
こんなのが『ニュートン』で特集されそうな世界的な科学上の謎になってしまうとは、コロナ以前に誰が予測しただろうか……