その後幹部6人が雑誌・新聞の各社1人の記者を事務所に入れ、異例の“独立決意表明”を行ったという。
(テレビ局とカメラマンは入れず、質問もなし。われらがヤクザ情報のクオリティペーパー『週刊実話』はもちろん入っていただろう。)
感想としてまず一つ、やはり何が何でも「山口組」というネームバリューは失いたくないのだろうなというのがある。
“われこそは真の山口組”と主張したい気持ちもあるのだろうが、この名前を失えばヤクザ業界以外(いわゆるカタギの世界)には通用しなくなるという恐れもあるのだろうか?
毎日新聞の記事によると、その織田絆誠氏の名前の後にはカッコ書きで「本名・金 禎紀=よしのり」とある。
離脱の理由は「金銭の吸い上げが酷い」「神戸山口組の井上邦雄組長が、出身母体を贔屓する」「井上組長が進言・諫言を一切聞かない」というのだから、暴力団といえどもプロレス団体の分裂理由とそうは変わらないものである。
というより、人間の団体なんて全てこんなものなのだろう。
なんだか「生ある者は必ず滅びる、長く続いた団体・組織は必ず分裂する」という理(ことわり)をまざまざと見る思いである。
それにしても、マフィア団体が記者を招いて意見表明・決意表明を公然と行うというのは、日本以外の国で普通のことなのだろうか。
活字メディアだけとはいえ、マフィアがメディアを呼んで自らの「正義」を決然と訴えるというのは、日本ならではの奇景ということになるのだろうか?
ともあれ、マフィア団体が分裂を繰り返していくというのは、カタギ界にとって基本的には喜ばしいことである。
多少の抗争があったとしても、その死者とターゲットがマフィア構成員だけであれば、むしろ大いに抗争してほしいと思っている一般人も少なくないはずだ。
(そして『週刊実話』の売り上げも伸びるだろう。)
ごく適当な感想に過ぎないが、もう一度か二度は分裂が起こる気もしている。
この世に滅びない国はなく、いつか潰れない会社も団体もないのだから……