プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

社会、ニュース、歴史、その他について日々思うことを書いていきます。【プロレス・格闘技編】はリンクからどうぞ。

熊本地震と「日本に安全な場所はない」

 4月14日(木)の夜以降、熊本で大きな地震が続いている。

 本日10時50分に取得した気象庁ホームページ「平成28年(2016年)熊本地震」について(第8報)」では、発生状況は次のようになっている。

発生日・時刻    震央地名    マグニチュード  最大震度
4月14日 21時26分 熊本県熊本地方  6.5     7
4月14日 22時07分 熊本県熊本地方  5.7     6弱
4月15日 00時03分 熊本県熊本地方  6.4     6強
4月16日 01時25分 熊本県熊本地方  7.3     6強(これが本震らしい)
4月16日 01時46分 熊本県熊本地方  6.0     6弱
4月16日 03時55分 熊本県阿蘇地方  5.8     6強

 これを書いている時点で、熊本県において死者15人が出ている。(負傷者は1,000人超)

 いまテレビで見る熊本城は天守閣の瓦がほとんど剥げ、櫓の下の石垣も崩れが大きい。

 加藤清正の築城当時からあった「東十八間櫓(やぐら)」と「北十八間櫓」も倒壊した。

 近年の地震で城郭がこれほど被害を受けたシーンを目の当たりにするのは、初めてのような気がする。

 また、宇土市役所なども使用不能なほど激しく崩れた。(倒壊の怖れがあるそうだ。)

 阿蘇大橋もまた崩落し、地震との関連は不明ながら16日8時半頃には阿蘇山で小規模噴火が発生した。


 あの東日本大震災(2011年3月11日)以来、久しぶりの大地震である。

 いや「久しぶり」とはいうものの、まだ5年しか経っていない。

 たぶん昔なら、全国の寺社に祈祷が命ぜられたことだろう。

 こんな地震が発生したときいつも思うのは、結局日本に「安全な場所」というのはないのだ、ということである。

 だいたい日本列島自体が世界トップクラスの地震・火山噴火の超危険地帯であり、これに匹敵する国はインドネシアとペルーぐらいだろうか。

(しかしそうは言っても、岡山県香川県などは、大地震をはじめ大きな自然災害の話を聞くことがない。

 瀬戸内海中部当たりは、日本では珍しく恵まれた地域なのかもしれない。)


「世界の地震発生マップ」「世界の火山分布マップ」などで見る日本は、“こんな所に人間が住むのかよ”と世界の人から思われても不思議ではない惨状である。

(あれを見た日本人は、例外なく“何てヒドいんだ”と感じることだろう。)

 そして、何も地質学的ではなく人間的な尺度で見ても、いずれ近いうち阿蘇山も富士山も爆発する運命にある。(これは絶対確実である。)

 むろん南海トラフ地震も、第二次・第三次関東大震災も、起きるに違いない運命である。

(余談ながらそうなった場合、裁判本で有名な「阿蘇山大噴火」氏は、不謹慎だというので改名を余儀なくされるのではなかろうか?)

 しかしそれでも、この世界最大の地震国に住む日本人でさえ、日々の生活・仕事で“地震が起きる可能性”をスケジュールに組み込んでいるわけではない。

 まして地震の少ない国であれば、今回の熊本地震規模の地震が起こったなら、備えもなく呆然動転するだろうことは想像に難くない。

(そして実際、同程度の地震に見舞われた日本よりはるかに多くの死者が出る。)


 おそらく今の我々は、生きているうちに阿蘇山や富士山の噴火、南海トラフ地震や第二次関東大震災を経験するだろう。その全部を経験することも充分あり得る。

 残念ながら「日本に安全な場所はない」のである。