1月2日14時30分頃、皇居宮殿前の恒例の新年一般参賀の際、前列にいた20代の男性が奇声を発しながら裸になり、最前列の柵を乗り越えた。
しかしもちろん、その場で警察官に毛布にくるまれて逮捕された。
まず思うのは、よく毛布など準備していた――即ちこういうこともあろうかと予期していた――ものだ、ということである。
なんでも彼、SNS上でこんなことをすることの予告もしていたらしい。
そうなると即病院行きの精神異常者と言うよりも、やはり(このブログで何度も書いている)「ヘンな奴」の一派らしい。
その行動に出るタイミングが天皇の挨拶の言葉の「直後」であり「最中」でなかったというところも、完全な精神異常ではないことを窺わせるものがある。
さて、かつて(と言っても戦後の話)天皇や皇太子はパチンコ玉で撃たれたことがあり、火炎瓶を投げられたこともある。
しかし、それら「真面目な」天皇制反対者からテロ攻撃があることは誰でも想定するとしても――
まさか天皇・皇族の前で全裸露出するなどという「テロ攻撃」が起ころうとは、これこそ戦前戦後の左翼世代には想像も及ばないことではないだろうか。
歌は世につれ世は歌につれ、などというが、令和のSNS時代のテロというのはこんな種類に「進化」を遂げているのである。
こんなこと、もし天皇にパチンコ射撃した人や皇太子へ火焔瓶を投げた人がまだ存命なら、聞かせて感想を聞いてみたいものだ。
それにしても思うのは、この手のテロ攻撃なら今後いくらでもできそうだ、ということである。
たとえば天皇皇后両陛下がどこかを訪問し、建物の外なんかで一般の人々と話をしたりするという映像は、みんな見たことがあるだろう。
誰でも思うはずだが、ああいうときは「テロ」の絶好の機会ではあるまいか。
まさにああいう場にこそ、今回のような露出狂が現れてもおかしくない――
いや、もっと真面目に考えると、ああいう場こそ真のテロリストが狙ってくるにふさわしいタイミングのはずである。
(と、思わない人がいるだろうか。)
これを警護の観点から考えると、世の中には「真面目系テロリスト」と「不真面目系テロリスト」の2種類があるということになる。
そしてもし私が前者であれば、後者の方を先に放って警護の目をそらしておき、そこに真のテロ攻撃を加えることを考える。
つまり天皇・皇族の地方訪問のとき、まず露出狂役を投入し――たぶんそれだけではターゲットは車の中などに避難しはしない――、みんなの目がそっちを向いたとき真の攻撃を加えるのである。
そう考えると今回の件、決して笑い話や異常者のしでかした異常ハプニングとしては片付けられない。
警護する側にとっては真面目テロばかりか不真面目テロまで考えに入れなくてはならないのだから、かなり事は重大である。
おそらく、ではあるが、今後も皇室相手のこんな不真面目系テロは起きると思う。
その結果、皇族の地方訪問は「本人が姿を見せるのは建物に入ってからだけ」になることは大いにあり得る。
いまや一般世間の人たちにとって最大の脅威である「ヘンな奴」リスクは、皇室にも(言ってみれば当然に)及ぶ時代となったのである。