プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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池袋ポケモンセンター「元交際相手」女性刺殺事件-聖女はなぜクズ男と恋愛するか?

 3月26日の夜、池袋の(日本最大級の)ポケモンセンターで、そのアルバイト店員女性(21歳)が刺殺された。

 それをやった男性(26歳)は彼女の元交際相手で、別れた後もしつこくつきまとい、驚くべきことかもしれないが既にストーカー行為で警察に逮捕されたことがあった。

 つい最近の今年1月には裁判所から接近禁止命令が出され、略式起訴を経て罰金80万円を納付して釈放されたが、しかし勧められたカウンセリング受診は拒否していたという。

(⇒ FNNプライムオンライン 2026年3月27日記事:「ポケモンセンターで働くのが夢だった」警察から勤務先変更の助言も拒否 男は別れた後もプレゼント置くなど付きまといか 池袋女性刺殺)


 この、犠牲者にとって救いのない事件の中でただ一つの救いと言えば、この男が女性を殺害した直後に自分の首を切って死んだことだろう。

 どうせ人一人を殺してもまず死刑にならない――無期懲役も怪しい――のはもう国民的常識であり、生きていれば彼はいずれ刑期を終えてまた「釈放」され、社会に出てきていたに違いない。

 そういう人間が自分で自分を殺処分したのだから、これだけは社会にとって有益であった。

 さて、この事件に限ったことでは全くないが、そして被害者側を茶化す気など毛頭ないが――

 このような事件の場合、被害者は必ず「いい人」として報じられるものである。

 それは多くの場合、まるで聖人聖女のようでさえある。

 対する加害者側はもちろん、どうしようもないろくでなしのクズ人間のように報じられる。

(ただしこれは、報道を受け取る方がそうとしか受け取らない、と言い換えた方がいいかもしれない。)


 そして我々は誰しもここに、人類千古の謎とも言える大問題に突き当たらざるを得ない。

 それは、なぜそんな聖女のような被害者がたとえ一時のこととは言え、かくのごときろくでなしのクズ人間と恋愛関係に入ることがあり得るのだろうかという大問題である。

 いや全く、あなたは今まで生きてきて、そんな疑問を抱いたことが一度もなかったと言えるだろうか。

 聖女とまでは言わないにしても「いい子」「普通の子」としか思えない女性が、どうして釣り合うはずもないクズ男と付き合って結婚までするのか。

 あまつさえ、まるでクズ男を渡り歩くかのような人生行路を歩む女性が少なくない(と思われる)のは、なぜなのか。

 もちろん逆に、まるきりの善人に見える男性がクズ女に暴君支配される人生を(しかも自らそれを望むかのように)送っている例も多いだろうが……

 しかしどちらかと言うと、やはり「聖女とクズ男」の例の方が多い気がする。

 この現代日本では、恋人を作ること自体が極めてハードルが高く、もしかしたら全男性の半分くらいはそれをもう諦めているのかもしれない――

 などと言われている。

 にもかかわらずこの手のクズ男が、とにもかくにも聖女みたいな女性を恋人にできたことがあったのは、いったいどういうわけだろう。

 この男はかつて被害者に、「おまえにはポケモンセンター勤務は似合わないから辞めろ」などと言ったことがあるという。

 私もそうだが皆さんも、よほど変な勤務先でなければ、恋人にこんなこと言うなんて考えられもしないだろう。

 束縛心の強い人間とはこういうことを平気で言うものなのかもしれないが、私だったら彼女から仕事の悩みを打ち明けられたわけでもないのにポケモンセンター勤務を辞めろと言うなど、想像を絶する言動である。

 そんな男でもたとえ一時でも聖女と付き合えるというのは、全国の多くの男性にとってそれこそ想像を絶することではあるまいか。

 この「なぜ普通以上と思える女性が、クズ男(ばかり)と恋愛関係になってしまうのか、なれるのか」という大問題は、もちろんすぐに答えが出てくる問題ではない。

 だが、一つ浮かぶのは、ここで言う「クズ男」という設定自体が間違いではないかという疑問である。
 
 つまり彼らは、今回の事件の彼もまた、全くのクズ人間ではなく――

 ほぼ全ての人が――特に非モテ系の男性たちは――受け入れようとしないし認めたくないことだろうが、やはり何らかの魅力や長所があるのではなかろうか。

 もしこれが正しいとすれば、男性にとってのみならず女性にとっても凶報である。

 もし何かの理由で・きっかけで好きになった男が、今回のようなストーカー殺人者予備軍であったらどうなるか……

 そんなことを考えたら、あまりにもリスクが大きすぎてとても恋愛などしたいとは思えないだろう。

 おそらく、と言うよりはきっと、こういう事件の報は世の女性たちの恋愛意欲を低下させているはずである。

 そして確かに、若年層~結婚適齢期の女性の間では「恋愛離れ」が進んでいるとも言われている。

 しかしそれも、無理はない。

 いやしくも自分が好きになる男でさえもストーカー殺人者になる可能性があるのだから、そりゃ恋愛なんて軽々しくやってられない、それどころか全て回避すべき――

 となるのは、むしろまともな女性の感性と言うべきではあるまいか。