8月22日、ついに日本と韓国の対立は、経済面から安全保障面に波及した。
韓国が、日本との日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA。ジーソミア)を破棄すると発表したのである。
これはたぶん、日本にとってもオオゴトなのだろう。
しかし韓国も色々考えた上で破棄を決定したのだから、「しょうがないね」というところだ。
ところで、ここで何としても感じるのは――
日本のマスコミはこぞって日韓「軍事」情報協定、と報じているが、
ここで「軍事」という言葉を使うのに何のためらいも違和感もないのだろうか、ということである。
いちおう日本政府の公式見解はいまだに、「自衛隊は軍隊ではない」ということになっている。
そしてもちろん日本の左翼派や反改憲派は、自衛隊を正式に軍隊として認めるなど大反対だし、おそらくは日本に「軍事」の2文字などあってはならない、と思っているはずである。
しかしながら実際には、いとも普通に日韓「軍事」情報協定、などとニュースで報じられている。
日韓「安全保障」情報協定、などと読み替えることもなく、だ。
少なくとも私にはこれは、自衛隊は軍隊であり、日本は軍事に公然と関わっているというのを、マスコミも一般人も「いとも普通に認めている」ように感じられる。
いっそのこと「日米安全保障条約」「日米同盟」というのも、あっさりと「日米軍事同盟」と報道してしまった方がいいのではないか?
そしてまた、日本の左翼勢力にとってみれば、この日本が他国との「軍事」関係を断つ・断たれるというのは、実に理想的なことだと言わねばならない。
今回の件で韓国との「軍事」関係が(完全ではないにしても)断たれるとすれば、これは理想への大きな第一歩である。
さて、では本当にそのような反応になるのかどうか、興味深いと言えば興味深い話である。