9月2日、TBSテレビで映画・アニメ事業部に勤務する男(30歳)が、10代の少女を誘拐したとして現行犯逮捕された。
しかし、これでTBSの屋台骨が揺らぐとかいうことはないだろう。
どうせこれもまた、すぐに忘れられるのである。
さてこの男性の名、誰がどう見ても中国人である。
ネットでは例によって中国人叩きが始まりそうだが――
報道を読んでみれば、どうもこの少女はおぞましい誘拐の犠牲者と言うより、ネットのエロ広告でよく見る「家出少女」の類であるように見える。
少女は静岡県在住だが、8月中旬から9月2日まで、東京都渋谷区の男の自宅に「連れて行かれた」。
そして男が現行犯逮捕されたのは9月2日朝、北海道札幌市で少女と一緒にいるときだった。
たぶんだが、少女は別に救いを求めて逃げ出そうとはしていない。
たぶんだが、30歳の男と「一夏のバケーション」でも楽しんでいたような印象を受ける。
しかしそれにしたって、10代の未成年とわかっていながらそんなバケーションを過ごすというのは、メディア人いや一市民として危機意識がないことは言うまでもない。
世の大部分の男性にとって、「リアル家出少女と一緒に過ごす」というのは、ファンタジー以外の何ものでもないだろう。
いざリアル少女が「助けてください、泊まるところがないんです」なんて近づいてきたら、喜ぶどころか慌てるのが当然だろう。
なのになぜか、本当に家に連れて行ったり一緒に外を歩く男がいるのだ。
これはちょうど、「迷惑メールに返信なんてする奴がいるわけない」が、何百万通のうち1人くらいは反応する人が必ずいる、という話に通じるところがありそうではないか。
私は幸いにして、女子校生と仲良くなりたいとかその先まで行ってしまいたい、とかいう願望は全くない。
たとえ道義心や公徳心が全く欠如していたって、ただ損得勘定だけでそんなことをしたいとは思えなくなる。
しかししかし、悲しいことながら、女子校生とか10代少女という存在に、道を誤らされる男性はやっぱり世の中にいるのである。
たぶんだがこの少女、逮捕された男を庇うことはないだろう。
家族は捜索願いを出していたそうだが、おそらく賠償金を取れるとなれば、その家出元の家族と協力するのではなかろうか。
そんなことは誰でも予想できるはずだが――
「家出少女を迎え入れる」などという危険極まる冒険をトキメキながらする男性は、やっぱり跡を絶たないと思われる。