1月21日、日立製作所は「PPAP」を全面禁止すると発表した。
そのネット記事のタイトル(短く切り詰められる)を見て、100%近い人がピコ太郎(古坂大魔王)の「ペンパイナッポーアッポーペン」(の略称PPAP)を想像したはずである。
そんな誤解はしていないという人も、間違いなく連想はしたはずである。
もちろん日立製作所が、あの歌を歌ったり踊ったりするのを社員に禁止したというわけではなく――
「 P パスワード付きzip暗号化ファイルを送ります
P パスワードを送ります
A 暗号化
P プロトコル」
という、あの日本のホワイトカラーなら誰もが仕事上受け取ったことのありそうな、
「メインメールをパスワードなしで開けないようにしてまず送り、
次にパスワードの入ったzipファイルを別に送る」
という、あのやり方を禁止する、ということだ。
そしてこのセキュリティ上のPPAPは、ピコ太郎のPPAPにヒントを得て(皮肉的に)命名された名称とのこと。
確かにこれって私も(自分で送ったことこそないが……)しょっちゅう受け取っていて、「これって意味あるのか」と思ってはいたのである。
しかしこのニュースを聞くまで、それが日本ローカルのガラパゴス的なものであり、
かつ前々から無意味と問題視されてきたことまでは知らなかった。
(調べる気のない話題に関しては、ネット時代でもこんなものである。)
ただ、既に昨年11月には、平井卓也デジタル改革担当大臣が内閣府と内閣官房でPPAPを廃止すると発表している。
このときは今回みたいな話題にならなかったような気がするのだが、
そしてその後も私は相変わらずPPAPメールを受け取り続けてきたのだが、
日立製作所が全面禁止にするとなるとニワカに話題になるのはなぜだろうか。
普通は政府が禁止にした方が話題になりそうなものなのだが……
(そして今度こそ、世の中でPPAPメールを送る人・企業は激減すると思われる。)
ところで今回のニュースを伝えるネット記事のタイトル「日立製作所がPPAP全面禁止へ」って、
これこそ「釣りを狙ってないのに、どうやっても釣りになってしまうタイトル大賞」の受賞に値しそうである。
確かにこれは、要約すればそうとしか書きようがない。
ネット記事のタイトルを考えている人たちも、内心「これは釣りになってしまうなぁ……」などと絶対に思っていたに違いない。
なんだかこういうのが、本物の「ほっこりニュース」というものではないかと思ってしまうのである。