6月17日、宮城県上空に現れた「謎の飛行物体」の正体が不明だということで、「ネット騒然」らしい。
ブームから何十年も経った今でも、人類はUFOが大好きである。
UFOを少しでも思わせる記事は、クリック数を集めるものである。
それはともかく今回のニュースでは、かなり鮮明な写真と映像が撮られている。
白い球体の下に十字型の何かが吊られており、どう見ても気球以外の何者でもない。
これがUFOだとすれば、いわば「気球型UFO」だが――
世のUFO本の「UFO種類図鑑」みたいなページでは、「葉巻型」や「ダイヤモンド型」はあっても、「気球型」というのはまず紹介されていない。
なぜならもちろん、「気球型って、あきらかに気球そのものだろ」と誰もが思うからである。
さて、「UFOと気球」と言えば、むろん「UFOの正体=スカイフック気球」との説が思い浮かぶ。
スカイフック気球とは、1940年代から50年代あたりにアメリカが(ソ連の核実験を探知するため)打ち上げていた観測気球のことである。
かの有名なロズウェルUFO墜落事件で、マーセル少佐が「これが墜落物体の破片」として新聞写真になった「何やらアルミホイルみたいなもの」も、
かの有名なマンテル大尉UFO追跡・墜落死事件で、マンテル大尉が追跡した「巨大で輝く物体」も、
その正体はスカイフック気球とされている。
(もっともマンテル大尉は、「中に人がいる」と無線連絡していたとも言うが……)
なるほどおそらく、今まで世界中で目撃され、今でも正体未確認の「UFO」のうち何割かは、確かに気球だとは思う。
そして今回の(異例に鮮明な)気球型物体は、やはり気球には違いない。
そして日本から打ち上げたものでないとすれば、まず間違いなく近隣諸国から打ち上げたものだ。
おそらく、誰もが思いついたはずだが、その国とは北朝鮮だというのが最も可能性が高い。
北朝鮮であれば「それはウチのものです」と自己申告はしないだろうし、
ちょうど今は「南北連絡所を爆破」などという、異例に軍事的な強気行動を取っているところである。
「米軍とUFO」「ナチスとUFO」なんていうのはUFOファンにはお馴染み過ぎる組み合わせだが、
「北朝鮮とUFO」というのは、そんなUFOファンにとっても新境地でありそうだ。
しかしむろん、本当に北朝鮮製気球であったとすれば、日本の防衛上大問題である。
河野太郎防衛相は、つい最近の4月28日、「自衛隊がUFOに遭遇したときの手順を定めたい」と言っていたが――
まさにこれは、「UFOを発見したとき」に当たる。
回収できるものなら、ぜひしてほしいものである。