日本がトランプ大統領の来訪で沸いていた中、ヨーロッパでは欧州議会選が行われた。
全体的には中道・リベラルがやや有利な結果となったようで、世界のよその地域の人から見ても「妥当」みたいに思えるだろうが――
しかし特筆すべきは、
(1)イギリスでブレグジット党(EU離脱派)が第1党となったこと(まあ、これは「妥当」の範疇)
(2)フランスとイタリアで「極右」政党が第1党となったこと
の2つである。
(⇒ Yahoo!ニュース 2019年5月27日記事:【速報】欧州議会選挙の結果表。ほっと一安心の内容:前回との比較議席数とコメント:次の委員長はだれ?)
(⇒ CNN 2019年5月27日記事:欧州議会選 ポピュリスト伸び悩み、リベラル政党が議席増)
(⇒ BBC 2019年5月27日記事:【欧州議会選】 英でブレグジット党が圧勝 2大政党は大敗)
フランスのルペン率いる国民連合(RN)とイタリアのサルビーニ副首相率いる「同盟」は、たいていの日本の新聞で「右翼」「極右」と表記されている。
どうやら欧州情勢は、日本よりはるかにずっと「先」を行っているようだ。
とはいえアメリカではあのトランプがとっくに大統領になっているのだから、やっぱりアメリカの方が世界最先端を進んでいると言うべきだろうか……
確かにドイツでは「左派」である緑の党が大躍進を遂げるなど、欧州全体としては「EU懐疑派・ナショナリスト派が伸び悩んだ」ということになるのだろうが――
しかしフランスとイタリアという欧州の大国で、揃って「極右」が第1党になるというのは、やっぱり衝撃的ではあるまいか。
私にはこれ、EU懐疑派が伸び悩んだのではなくて、「EU解体への過渡期」に見えて仕方がない。
だいたいにおいて人類は、一つになるよりバラバラになる方向へ進んでいるからである。
そしてまた、その方が人類はたぶん幸せになれるのである。