12月7日午後8時15分頃、東京都江東区の大神社「富岡八幡宮」の敷地内で――
女性宮司・富岡長子さん(58歳)とその男性運転手(33歳)が男女2人組に日本刀などで襲撃され、長子さんは死亡、運転手は重傷を負った。
襲撃したのは長子さんの弟の富岡茂永(しげなが。56歳)と妻の真里子(49歳)で、襲撃後に茂永は真理子の腹を刺して殺害、自らも胸や腹を刺して死亡した。
それにしても、
「神社の神主(宮司)と従者が、実の弟夫妻に日本刀で襲われ殺害される。弟夫妻はその場で自害する」
という事件の要約だけ聞けば、まるで鎌倉時代か室町時代のことのようである。
この事件についてはネットに腐るほど記事が出ているので、詳細に立ち入ることはしない。
ただ、どうもこの被害者と加害者(姉と弟)、「どっちもどっち」という気がしないでもない。
しかしその程度は弟の茂永の方がはるかに酷く、どうやら今年の「キング・オブ・クズ」候補にふさわしい人物のようである。
(もっとも彼の影に隠れはするものの、彼の妻の真理子も相当なものだ。
夫がその姉を日本刀で襲撃するのを止めるどころか、一緒に短刀を持って襲撃に加わるのだから……
しかも夫に突き殺されて心中するのも最初から承諾済みだったのだろう。
これは凄絶な夫婦愛と言えばそうかもしれないが、「はあ?」と失笑するほどエキセントリックである。)
それにしても長子さん、レクサスに乗り専属運転手まで付いているとは……
さすが大神社の神主さんともなると、そんなに羽振りがいいのだろうか。
これはまるで新興宗教の教祖のような贅沢ぶりだと思うのだが――
氏子の人たち、女宮司がレクサスで神社に出入りしたり何かの集会に現れるのを見て、何を思っていたのだろうか。
何にしてもこれで、「深川八幡祭り」のような大祭礼イベントを有し、参拝客の多い神社の神主がカネ持ちだということはよくわかる。
だからこそ弟の茂永(とその妻)は、実の姉と30年にも及ぶドロドロの暗闘を繰り広げてきたのだろう。
茂永は姉以上のメチャクチャな贅沢三昧(もちろん神社のカネを使って……)をやってきたらしいが、そりゃこんなのを宮司にしたら神も仏もない世の中というものだ。
しかし、こんな茂永でも一時は宮司だったことがあるのである。
レクサス&運転手に乗る長子さんも、弟ともども金儲け主義と批判されながら、それでも宮司になり天皇陛下のご案内も務めたのである。
そして長子さん自身の殺害6時間前に書かれたブログには、「神職の集まる飲み会ではセクハラが横行している」などと書かれている。
「聖職者の腐敗・堕落・不祥事」というのは、何も(たびたび聖職者の幼児性愛がニュースになる)キリスト教の専売特許ではなく、伝統神道にももちろん普通にあることを、今回の事件は改めて示した形だ。
(そしてニュースとしては全然入ってこないが、イスラム教の聖職者にもこんなのは大勢いるのだろう。)