プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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衆議院解散・民進党解体・希望の党に野党結集――「日本オール保守」の時代と「共産党の大躍進」?

 9月28日、自民党安倍晋三首相は衆議院を解散した。

 そして10月10日公示・10月22日投開票の衆議院議員総選挙に向け、民進党旧民主党)は「満場一致」で小池百合子東京都知事率いる「希望の党」への合流を決定した。

 “「自民党でもなく、共産党でもない」野党勢力を総結集して、何としても安倍政権を倒す”ことが名目だが、しかし実際は民進党単体ではほぼ惨敗が決定的なので、まさしく真の意味での(自分たちが国会議員で居続けるための)生き残り戦略である――

 というのは、誰しも感じることだろう。

 確かに「野党勢力を総結集して政権与党に挑む」というのは、普通なら非常に説得力のある動きである。

 しかし普通、こういうシチュエーションになったら国民は(与党派にしても反与党派にしても)大盛り上がりのはずなのだが、一向にそういう雰囲気でもないのは、もはや日本国民が政治に冷めきっている証のようにも感じられる。

 しかしそれより強く感じるのは――

 小池百合子の「希望の党」は憲法改正・安保法制維持等々の政策に積極的な党であり、これが自民党と並ぶ新たな二大政党だというのなら、日本の政治界は完全に「保守勢力一色」になってしまったということである。

(小池東京都が、今年から関東大震災の慰霊祭の弔辞で「朝鮮人虐殺」に触れなくなったことは記憶に新しい。)


 もう、今から20年ばかり前に社会党村山富市首相)が政権を獲っていたなど、全然信じられない話ではないか?

 今にして思えば、あの頃が“進歩的勢力”すなわち左翼勢力の極盛期だったのだろう。そして現在は、落ちる所まで落ちた時期なのだろう。

 いまや新社会党などは、顕微鏡で見なければ存在すら知られないほど衰退しきっている。

 これが今の日本の雰囲気、日本国民の雰囲気であり、左翼勢力は出る幕もなくなったということだろうか……


 しかしもちろん不思議に思うのは、民進党にも左翼勢力はいる(というか、本来彼らが主力だった)はずなのに、今回のような“野合”によくも全会一致したものだということだ。

 もっとも与党の自民党だって、ずっと昔から“野合の党”であるのは有名である。

 そもそも理念の一致を結党の厳格な規準にするとすれば、どうやったって「一人一党」になってしまうのが当たり前である。

 人間の一人一人の考えや理想が全ての問題について一致するわけはないのだから、むろん妥協がなければ党は作れない。


 それはそうなのだが、こういうときこそ「共産党ではない左翼勢力が結集して、保守二大政党に挑む」という動きが出てきてもおかしくないはず――

 いや、そうあるべきである。

 なんかこのまま総選挙になると、その結果の一番の裏テーマは「共産党の大躍進」にあるような気がしてくる。

 これは共産党にとって、「反保守」をいよいよ自党に結集できる千載一遇のチャンスである。

 これでもなお共産党が躍進できないなら、もう何があっても共産党は躍進できないと言って過言ではない。

 
 しかし、それにしても……

 国会がオール保守になってしまうほど日本国民に「左翼っぽい考えを持つ人」が少ないとは思えないのだが、その人たちは今頃(今まで)何をしているのだろうか……?