プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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「風俗嬢を刺殺して自分も腹を刺す」-切腹の文化人類学

 5月5日の昼日中、東京都台東区千束の風俗店で、30代の女性従業員(風俗嬢のことだろう)が個室内で首を切られて殺害された。

 それをやったとみられる30代の男性は、そのサバイバルナイフで「自分の腹を刺した」。

(⇒ 読売新聞 2023年5月5日記事:「吉原地区」風俗店で女性従業員が刺され死亡…客の男の犯行か、自らも腹を刺し搬送される)

 

 自分の腹を刺したというのは、いわゆる「切腹」である。

 日々のニュースでは「切腹」と明記しないまでも「自分の腹を刺した」という表現がちょくちょく出てくること、

 この21世紀になっても、時代劇の放映が地上波テレビでほぼなされなくなっても、まだ多くの日本人が切腹を敢行し続けていること、

 これについては、すでにこのブログで記事を書いている。

(⇒ 2018年9月19日記事:八王子市役所で高齢者が切腹未遂-受け継がれるハラキリの伝統と衝動)

 

(⇒ 2022年1月16日記事:東大試験場殺人未遂事件 その3 日本人の「切腹愛」は何なのか?)


 今回もまた、30代という年寄りでもない男性が風俗店の中で切腹または切腹類似のことをやろうとしたことになるが……

 いったい日本人には、「感極まったら自分の腹を刺す」という習性があるのだろうか。

 何らかの興奮のあまり人殺しなどの「取り返しのつかないこと」をしてしまうと、考えるより先に切腹したくなるという脳内回路があるのだろうか。

 そしていつも思うのだが、そういう習性は――自分の腹を刺してしまう衝動は――、他の国の他の民族にはないのだろうか。

 欧米や中国では、はたして「自分の腹を刺した」ニュースは流れているのか、いないのか。
 
 そういうことがあったとしたら、それは「HARAKIRI」と報じられているのかいないのか。

 ニューギニアやアマゾンの部族民には、こういう習性があるのかないのか。 

 こんなことが気になるのは、私だけだろうか……