プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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コロナ禍で世界の出生率は暴落する?-人類の人口減少の始まり

 今回の新型コロナ蔓延で、少なくとも2020年と2021年の出生率はまたも急落するだろう――

 と予想しているのは、何も人口学者ばかりではないはずだ。

 それも「日本が」ではなく「世界が」である。

 かつてなら、「外出自粛で家にいたら、当然出生数は増えるだろう」と、誰もが笑い話的に予想したところだ。

 しかしそれどころか、急増したと報じられているのは夫婦のセックス回数ではなく、あろうことか「DV(家庭内暴力)」の方である。

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 もちろん、コロナ禍と外出自粛で出生数が増えるだろうと予測している人は、この広いネット界にさえ誰もいない(ように見える)。

 2019年、日本の出生率は30年ぶりの大幅減を記録した。

 お隣の韓国では、既にコロナ禍のある前から出生率は1.0を切っている。
 

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 人の集まることが「いけないこと」とされている今、そして少なくとももう数ヶ月はそれが続くと予想されている今――

 当たり前だが、婚活イベントを開くことはできなくなった。

 それより影響が大きいのは、大学なんかでサークル旅行や友人との旅行、いやサークル活動・部活動自体さえできなくなったことである。

 これにより男女が知り合い、仲を深め合う機会は、ほとんど根こそぎ失われた。

 これだけで出生率・婚姻率に与えるマイナス影響は甚大なはずだ。

 そして、仮に外出制限が緩和されたとしても、多くの人はマスクを着けるのを止めないだろうから……

 もし婚活イベントが再開されたとしても、参加者はマスクを着けて来ることになるのだろう。

 向き合って会食するのもナシなのだろう。

 婚活にマスクを着けていくというのは、何とも言えないシュールな絵である。

 確かに見てみたい気はするが、そんなことなら最初から行く人はいないし、実際婚活イベントはほぼ行われなくなるのではなかろうか。


 しかし何より、もう人と人とが接すること自体が危険視され、「良くないこと」と印象づけられた影響はさらに大きい。

 なにせ、他人と半径2メートル以内に仕切りなしで接することすら、不安で非常識なことだと見なされている。

 ましてや他人と肌を重ね、体を擦りつけ合い、唾液をはじめとする体液を交換し合うなど、まさにとんでもない危険行為と言わねばならない。

 
 また、全国のスーパーのレジなどでは、「現金・カードの手渡し」は行わなくなった。

 それはいったんトレイに置いてから、受け渡しするようになった。

 むろんそうしたからと言って、菌だのウイルスだのの感染が防げることはないのだが――

 しかしこの「慣習」が、日本人の例のケガレ意識をさらに急伸・急加速させることは疑いない。

 もはや今後の日本人は、「他人と接すること」を、いよいよ本格的にケガレた忌むべきこととみなすようになるのは疑いの余地がない。

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 その行き着く先は明白で――

 セックスすらも危険で避けるべき行為、と日本人の過半数が共通認識する日は、全然遠くないことだろう。

 日本の出生率はまた下がり、未婚率はまた上がり、その傾向は当分続いていくこと確定だろう。

 そしてたぶん、日本人ほどではないにしても、他の国でも似たような共通認識が広がるのではないかと思われる。

 特に韓国は要注目で、もしかすると前人未踏の「出生率0.5」とかを記録することだって、あり得ないことではない気がする。


 20世紀の未来予測では、人類の人口は21世紀中に100億人を超えるとか言われていた。

 「人口爆発」は、地球の未来を語る際の外せないキーワードだった。

 しかし現実の21世紀では、コロナになる前から「途上国でさえ人口増加率は急減している」ことが明らかになりつつあった。

 そして今回のコロナにより、全世界的に出生率の暴落が起こってもおかしくはなくなった。

 人との接触が人々に自主的に忌避され、あるいは社会から規制される――

 そういうことが全世界的に広まったら、人類の人口はまさに劇的な減少を運命づけられることになる。


 これはやはり、かつてこのブログで書いた、「人工彼女・人工わが子」の時代が来る……

 ことの、思いも寄らなかった前触れなのだろうか。

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