4月24日は、新型コロナの蔓延に対する「朗報」が2つ同時に報じられた。
一つは、「コロナは太陽光に弱い」とする研究結果である。
これは特に、これからまさに高温多湿の夏を迎える日本にとって、朗報である。
上手くいけば夏の間には外出自粛が解除され、海水浴場なんかに健康な賑わいが戻ってくるかもしれないのだ。
だが、誰でも思うように、夏が終わればまた蔓延が再開する恐れがある。
ひょっとしたらこれからの人類は、「夏には普通に外出して遊べるが、冬には家に閉じこもって自粛して過ごす」という、新たな生物生活パターンに入っていくのかもしれない。
そしてオリンピックは(選手には非常に酷だが)、開催国の蒸し暑いカンカン照りの夏の季節を選んで開催されるのかもしれない。
そうなったら、もう記録更新は難しくなるだろう。
そしてもう一つは、「ニコチンが(つまりタバコが)、コロナ感染を抑制する効果がある」のではないか、という研究結果の発表だ。
フランスで行われた調査では、一般フランス国民の喫煙者率は35%なのに、コロナ感染者の喫煙者率は5%に過ぎなかったそうである。
また中国でも、一般国民の喫煙者率が26%であるところ、感染者中の喫煙者率は12.6%に留まったとのこと。
つまり、本当は感染者中の喫煙者率は一般国民全体の割合と同じ35%・26%であるべきところ、それよりもハッキリ低いらしい。
これは、ニコチンが細胞受容体に付着することで、ウイルスが細胞に侵入して体内で拡散するのを阻止しているかもしれない、ということだ。
私の印象としては、もしニコチンにコロナ抑制効果があるのだとしても――
それがフランスでは非喫煙者の7分の1(35%÷5%)、中国では2分の1(26%÷12.6%)だというのは、何とも差がありすぎると感じてしまう。
だが問題は、そこではない。
仮に、ニコチン(すなわちタバコ)に、本当にコロナを抑制する大きな効果があるのだとしてみよう。
タバコこそコロナ感染を抑止する最大の武器なのだとしてみよう。
それでもそのニュースは、握り潰される気がするのである。
執拗かつヒステリックに否定される気がするのである。
なぜなら皆さんご存じのように、「タバコは何があっても悪者」だから――
タバコは絶対悪で百害あって一利もない、そうでなければならない、という固い信念を持っている人・団体が、メディア界では絶対多数だからである。
もしタバコがコロナウイルスへの特効薬であれば、要するに「結局、喫煙者は勝ち組だった」「喫煙にも大きな一利があった」ということになる。
もしタバコがコロナウイルスへの特効薬であれば、要するに「結局、喫煙者は勝ち組だった」「喫煙にも大きな一利があった」ということになる。
そんなことを絶対に認められない人たちがいるのは、誰にでも想像がつく。
おそらくこのニュースは、それこそタバコの如く揉み消されてしまうのではあるまいか。
しかし私は、タバコが何かの特効薬になるなんてこともあると思うし、あるのが当然だと思う方である。
有名な「鎌形赤血球症」は、赤血球が鎌の形になって酸素運搬機能が低下してしまい、人を重篤状態または死に至らせる。
それは熱帯の黒人に広く分布するのだが、遺伝性の疾患なのに淘汰されては来なかった。
(そんな遺伝子を持っている人は子孫を残すのに不利なので、いずれはとても少数派になるか絶滅するはずである。)
それは、そんな遺伝子を持っている人は鎌形赤血球症に罹りやすい代わり、その居住地で蔓延しているマラリアに感染しにくいので、結果的に子孫を残す上で有利に生きていけるから、とされている。
思うに他の遺伝子にも、そして他の何であっても、そういう「一方では不利だが、一方では有利になる」という性質のものがあって当然ではなかろうか。
タバコは確かに体に有害かもしれないが、しかし(意外なことに)コロナウイルスを防ぐ効果がある――
そんなことがあったって、何の驚くことがあろう。
しかしそんなことを、嫌煙派は受け入れるわけにはいかないのである。
喫煙者が「勝ち組」になるなんて、たとえそれが現実であっても断じて認めるわけにはいかないのである。
志村けんがコロナ感染で死去したのは、「ヘビースモーカーだったから」としきりにネットでは書かれている。
はたしてそれは本当なのか、
つい先日死去した岡江久美子もまた、タバコの犠牲者なのか、
そして全世界で19万人を超えるコロナ死亡者の中で、本当に常習喫煙者の割合は高いのか。
タバコというのは、つくづく甲論乙駁の議論の火種になりやすい物である――