プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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安倍首相、ゾンビばりの「くつろぐ動画」が絶不評…安倍官邸は本当に無能?

 安倍首相のツイッター動画が、絶不評である。

 4月12日にアップされたその動画は56秒間で、左半分には歌手の星野源がギターで『うちで踊ろう』を歌う動画、右半分には「自宅でくつろぐ安倍首相」の動画が写っている。

 動画の上には文字があり、


「友達と会えない。飲み会もできない。
 
 ただ、皆さんのこうした行動(注:自宅待機のこと)によって、多くの命が確実に救われています。

 そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。

 お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます。」


 と書いてある。

 


 私は、安倍首相のコロナ対策が全然ダメだと批判一辺倒になる気はないものの……

 しかしこの動画は、全然ダメである。

 インターネット上のあらゆる投稿動画の中で、最底辺に近い出来ではないかとさえ思う。

 まず背景の「自宅」というのが、なにやら豪邸のような優雅さである。

 そして安倍首相はその中で、椅子に座って本を読んだりテレビのリモコンボタンを押したり、犬を抱いて撫でたりしている。

 それがまた、「生気」というものが全く感じられないゾンビみたいな様子なのだ。(徹頭徹尾、無表情だし)

 いや、ゾンビ映画の中のゾンビの方が、これよりははるかに生気を感じさせると言っては言い過ぎだろうか。

 
 私はこの動画を作ったのが、そして安倍首相のツイッターに載せようと決めたのが、安倍首相本人であるかどうか知らない。

 もし本人だったとしたら「慣れないことはするものではない」と思うし、

 もしブレーンが作って選んだのであれば、それはもう無能としか言いようがない。

 このツイートはきっと、自宅待機を促す目的で投稿されたのだろう。

 だったら動画なしの文字だけで、せいぜい写真を添えるだけで結構である。
 
 特に、「そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。」という文字の言葉とこの動画とは、1ミリも重ならないミスマッチである。


 いったいこの非常時に誰が、国家指導者が

「豪邸と思われる自宅で、(生気はないものの)優雅にくつろぐ姿」

 なんかを見たいと思うだろう。

「過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さん」の文字とこの動画は、どこでどう繋がるのか。


 特にこの「犬を抱いて撫でている」姿というのは、少年漫画では「御前」とか呼ばれる悪の巨頭、よく言えば黒幕的な有力者を描写する定番である。

 私は、今このときに国民が見たいのは――

 そして当の安倍首相本人も見せたがっているはずのものは、

 「危機に当たって奮闘する指導者」の姿に決まっている、とナチュラルに思うものである。

 ところがどっこい安倍首相がツイートしたのは、「御前」ばりに(しかしゾンビみたいに)優雅にくつろぐ姿であった。

 おそらくこれ以上に、「安倍官邸の無能」を証拠立てるものはないのではないか。

 菅義偉官房長官はこれについて、「過去最高の35万いいね!を獲得した」と記者会見で述べたが、つくづく宮仕えとはツラいものである。

 もし本当に35万人がこの動画を、本心から「いいね」と思って「いいね!」を押したと考えるなら、それこそが日本の危機だと私には思われる。

 
 安倍官邸が安倍首相のイエスマンばかりになっている、「官邸専制」になっている、とは、多くのメディアで言われている。

 もしかしたらそれは本当かもしれない、と多くの人が思うようになったとしたら、それはこの動画のせいであると言っても過言ではないだろう……