プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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2019流行語大賞は「ONE TEAM」…って知ってる? 新語・流行語大賞は「遅れた旧世代向けイベント」?

 12月2日、毎年恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」(『現代用語の基礎知識』選)2019年度の表彰式が行われた。

 栄えある年間大賞は「ONE TEAM」

 これは今年のラグビーワールドカップ日本大会で、日本代表のヘッドコーチであるジェイミー・ジョセフ氏が掲げたテーマである。

 ……って、皆さん、この言葉、知ってましたか?

 知ってたとしても、流行ってましたか?

 私にはこんな言葉が流行っていたという感覚は全くないし、それは100人中100人がそうだろうとも思う。

 ちなみに、これ以外の候補トップテンは次のとおり。


・計画運休

・軽減税率

・スマイリングシンデレラ/しぶこ

・タピる

・#KuToo

・○○ペイ

・免許返納

・闇営業

・令和


 私はこの中だったら、「闇営業」が一番ではないかと思う。

 そして「○○ペイ」というのも、まあまあの線ではないかと思う。

 「タピる」というのも、まあわからないではない。

 しかし「スマイリングシンデレラ/しぶこ」というのは全く知らないし、まして流行っていたという実感は完全にゼロである。

 なお、特別賞としては、イチローの引退会見での発言「後悔などあろうはずがありません」が選ばれた。

 はたしてあなたは、この「後悔などあろうはずがありません」という言葉が流行っていたと思うだろうか。


 これは、もう何年も前から多くの人が感じてきたことだと思うが……

 この「新語・流行語大賞」というもの、それ自体が時代に追いついて来れなくなっている、

 控えめに言っても一般世間と乖離したものとなっている、というのが正直な感想ではあるまいか。

 それはあたかも、あの宝島社が発行していた『VOW!』というオモシロ物件紹介本が、ネットに代替されて消えてしまったかのように――

 もう、今すぐにでも消えておかしくないイベントなのではないだろうか。

 それが生き残っている理由は、ただ「それでも報道されているから」という一点にある、と言っていいような気がする。

 そしてそもそも、母体である『現代用語の基礎知識』って、あんな分厚い本を買って読む人がいったいどれだけいるものか、はなはだ疑問に思うのである。

(昔のブリタニカ百科事典セットのように、読まれずに毎年棚に飾られているだけ、のパターンが多いのではないか?)


 現代の時の流れは、恐ろしいほど速い。

 人が記憶に留めるのは、ただ最新ニュースだけである――と言っても、ほとんど誤りではないだろう。

 そんな中、「計画運休」なんて言葉がラミネートされているのを見れば、「何て時代遅れな」と感じるのが普通である。

 今年上半期に起きたことなんて、もう「いつの話をしてんだ」と思われても仕方がない。

 もう今すでに、新語・流行語大賞というイベントは、世間の大多数の目からは「遅れた・ズレた・旧世代向けのイベント」と見なされているのではなかろうか。