(そしてフーシ派自身、これが自分たちの攻撃であると声明を出した。)
もしあなたが「サウジウオッチャー」なら、このフーシ派というのが近年執拗にサウジアラビアへ攻撃を仕掛けているのを知っているだろう。
本当はそういう理由ならアメリカが真っ先に標的にすべきは、むしろイランの方であった。
そうしなかったのは、ひとえに(語弊があるが)国際政治のアホらしさというものである。
それにしても今回の「ドローンによるサウジ油田攻撃」、フーシ派にとっては大戦果である。
どうもそうではなく、我々はハリウッドのハイテク兵器・セキュリティ機器の氾濫するアクション映画を見過ぎているのかもしれない。
詳しい攻撃の状況は知らないが、おそらくはドローンに爆弾を搭載して「特攻」させたものだと思われる。
こんな格安の費用でサウジ原油生産に大打撃を与えられるのなら、まさにテロリストにうってつけの武器である。
その国が王制であり、王族たちが超大金持ちだというのもよく知られている。
そしてまた、中東には珍しい?アメリカの緊密な同盟国だということも。
これで石油の重要性まで(アメリカにとって)さらに低下していけば、ただでさえ敵の多く(かつ、評判もよくはない。イスラム圏だけでなく当のアメリカでも……)積極的に支援する気になれないサウド王家は、ますます立場が危うくなる。
たぶん21世紀の半ば頃には、本当にそんな風になってしまうのではないか。