プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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日本の人口減少幅が最大に-少子化の主犯は早婚を忌避する国民では?

 7月10日に総務省が発表したところによると――

 日本の人口は2019年1月1日時点(人口動態調査)で、1億2477万6364人と前年から43万3239人の減少。

 減少は10年連続で、その減少幅は1968年の調査開始以来、最大を記録したらしい。

(⇒ 日本経済新聞 2019年7月10日記事:人口減少幅最大の43万人、外国人は最多 人口動態調査)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47178730Q9A710C1EA1000/


 いまや「人口減少」と「少子化」は、日本の最大の課題であり危機であるとされている。

 こんなことになるのは何十年も前からわかっていたことなのだが、実際に減りだして初めて「トレンド」になるというのは、

 まるであの「江戸幕府はペリーが来航するのを事前に知っていたが、実際にやってくるまでは『まだ起こってもないことで騒ぐなんて』という雰囲気によって、結局事前の対策をしなかった」という話を思い出させるものがある。

 そしてトレンドになればすぐ始まるのが「戦犯」探しで――

 多くの人は、「こんなことになるとわかっていながら有効な対策をしてこなかった政府」を、(毎度のことながら)槍玉に上げたり上げたくなったりするようだ。

 しかし私には、少子化の原因は明々白々に思える。

 それは別に政府が悪いのではなく、誰が悪いかと言えば我々国民が悪いとしか言いようがないだろう。

 どういうことかというと、日本国民が「早婚」すなわち(特に女性が)20代前半に結婚する、ということをしなくなったのが、少子化の最大の原因なのはわかりきったことだからである。

 いまや日本人女性の平均初婚年齢は、30歳あたりに到達している。

 これつまり、子を産むのについては最も生産性が高い20代を、まるまるロスしているということである。

 
 思うに、江戸時代の人は「未来では、江戸から大坂へ日帰りできるようになる」ことは信じても――

 「女が初めて結婚する年齢は、未来では30歳くらいになる」なんてことは、笑って信じようとはしないだろう。

 彼らにとって、「そんなことあるわけない」に決まっているだろう。

 それが現実になってしまったのは、(もし少子化が本当に「悪」ならば、)我々国民が悪いとしか言えないのではないか?


 日本の少子化を心から憂いながら、

 しかし自分自身や自分の娘が20歳から23歳くらいで結婚するのは「早すぎる」と思う。

 ましてや10代後半で結婚したなんて聞けば、「あ、こいつらDQNだ」と反射的に思う。

 それで出生率が下がるのを日本の危機だと真剣に思うなんて、ちょっと笑えないほどヒドい心の持ちようではあるまいか。

   
 本当に少子化を防ごうと思うなら、我々は(特に女性の)早婚を奨励するしかない。

(あるいは人間同士のセックスで子どもを産むのに見切りを付け、精子卵子を企業に送って子どもを「製造」してもらうしかない。)


 それがイヤだと言うのなら、もちろんそれは国民自身が少子化の道を選択しているということである。

 これが政府の悪政のせいだというのは、もはや言いがかりの域だろう。


 あなたが本当に少子化を憂いているというなら――

 せめて自分の娘には20代前半で結婚するよう仕向けるか、

 せめて10代で結婚する人たちを祝福するか、

 それくらいはすべきである。

 夢にも「早すぎる」なんて反対したり見下したりしてはならない。

 そして企業は企業で、「結婚してない社員は信用できない」(なんて公言する会社が本当にある)なんて言わないで――

 むしろ「結婚してない社員は信用できないから採用しない」くらいの勢いを、世間に見せるべきではあるまいか。