プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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フランス大革命ならぬ大暴動-欧州はトランプ化して再分裂する?

 燃料税の引き上げをキッカケとしたフランス全土での暴動が、まだ収まらないようだ。

 フランスの象徴とも言われる「パリの凱旋門」のマリアンヌ像も、一部が破壊されたとのこと。

headlines.yahoo.co.jp

 

www.bbc.com


 さすがフランス、革命の母国、近代革命発祥の地。

 やっぱりフランスはこうでなくてはな――

 と、なぜか自分が鼻息を荒くする人もいるかもしれない。


 それはともかくこの暴動、確かに燃料税(日本で言う揮発油税とかガソリン税?)の値上げだけが理由であるはずはない。

 やっぱりこれは、人民の不平不満が溜まりに溜まっていたのだろう。

 その性質はたぶん、アメリカでトランプ大統領を誕生させたような、「反エリート・反セレブ」の感情であるように思える。

tairanaritoshi-2.hatenablog.com


 フランスのマクロン大統領は40歳の若きエリート、まさに民衆の、とりわけ世の“負け組”の反感を買うにはうってつけの存在である。

 きっといい加減フランス人も、こういうエリートの勝ち組への反感が抑えきれなくなってきたのだろう。

 いくらEUが巨大経済圏で、グローバルな新世界を航海していける唯一の希望の船だからって――

 そこに自分の席がなければ、誰にとっても何の意味もないのである。

 最底辺の船室をあてがわれるくらいなら、上の船室に押しかけたくなるのは人の常である。 


 そして隣国ドイツでも、メルケル首相の率いる与党が劣勢に転じていると聞く。

 なんだかこの先、トランプを生んだ力はヨーロッパをも席巻し(いや、もとから欧州にもそんな雰囲気は広まっていたはずだが)――

 小泉チルドレンならぬトランプチルドレンが各国で政権を取り、

 あげくの果てにはイギリスに続き、他の各国すらEUを離脱することだってあり得ないことではない。

 特にフランスとドイツのどちらか一国でも離脱すれば、それだけでEUは崩壊したも同然だ。

(少なくとも、世界中の人がそういう印象を持つ。)


 しかしたとえそうなったとしても、確かにEUの試みには意義があった。

 なんであれ失敗した実験もまた、非常に有意義なものである。

 「そういうことはできない」とわかるだけでも、人類にとって大きな進歩である。

 
 これは単なる、個人的な印象に過ぎないが――

 ヨーロッパって、やっぱり「分裂」している方が、ずっと自然な姿なのではないだろうか?