10月28日、東京都渋谷区で行われた(生じた)ハロウィンは――
例によって軽トラックを横転させる(器物損壊罪)、痴漢・盗撮、そして大量のゴミ放置など、誠に嘆かわしいことになったらしい。
これは例によって、日本に結構たくさんいるらしい「ウェーイ族」の仕業である。
私はハロウィンだけでなく、総じてこういう「祭りごと」が嫌いだし無関心なので、もちろん参加も見に行くこともするわけがない。
そしてたぶん、ウェーイ族は目立ちはするが、日本人の過半数を占めているわけでもないだろう。
さてハロウィン自体はどうでもよいが、こういうニュースを聞くたびに思い出すのは、あの有名な幕末の「ええじゃないか」現象である。
「ええじゃないか」――
このどんなに日本史が嫌いで苦手な学生でも必ず憶える(忘れる方が難しい)歴史用語は、さすがに大学入試で問われることは少ないように思われる。
(出題する方が、ちょっと恥ずかしくなる用語ではないか……)
思えば「ええじゃないか」現象とは、この渋谷のハロウィンと似たようなものだったのではないか。
江戸末期の民衆のモラルがどんなものだったか知らないが、きっとその真っ最中には、器物損壊や痴漢(どころか強姦)、大量ゴミ放置などが起こっていたに違いないと思う。
渋谷ハロウィンは21世紀のええじゃないかであり、ええじゃないかは19世紀の渋谷ハロウィンとイメージしてもいいのかもしれない。
たぶん、ええじゃないかにもコスプレ要素はあったのだろうし――
「ウェーイ族」というのは、江戸時代にも古墳時代にもどこでもいそうな種族ではないだろうか。
しかしええじゃないかと渋谷ハロウィンが違うのは、
ええじゃないかは歴史にしっかり名を刻む巨大ムーブメントとなったが、渋谷ハロウィンはそんなことにもならなさそうだということだ。
現代は事件・現象が多すぎて、とてもそんなこと歴史に残すヒマなんてないのである。
そう考えると、現代のウェーイ族は少し可哀想でもある……