プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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サウジアラビア、自国の大使館内で自国ジャーナリストを拷問殺害?-アメリカはいつサウジと手切れるのか

 トルコの最大都市(首都ではない)イスタンブールにある、サウジアラビア総領事館

 10月2日にそこへ入っていったサウジアラビア(ただし体制批判派)のジャーナリストであるジャマル・カショギ氏が――

 なんと、その中で拷問殺害されたと伝えられている。

 しかもその指示をしたのは、サウジの王族・政府筋だとも言われている。

news.tv-asahi.co.jp

 

www.sankei.com

www.cnn.co.jp


 これが本当だとすれば、サウジアラビアはますます先進国の国民から「ろくでもない国」だと思われるだろう。

(サウジ王室のメンバーたちの乱行だの粛正だのは、まあまあよく知られている。)


 そう、日本人のサウジアラビア観と言えば、

「たまたま石油が湧いて出るから金持ちになった国」

「でも女性はまだまだ抑圧されたりしてる、先進国に比べればずっと遅れた国」

 というものではないだろうか。

(この点ドバイなんて、サウジよりはるかにずっとイメージが良い。)


 しかしそのサウジアラビアと、第二次世界大戦以後ずっと緊密な友好・同盟関係にあったのが、他ならぬアメリカである。

 もう一つ中東で緊密(どころではないが)なアメリカの同盟国と言えば、イスラエルだが――

tairanaritoshi-2.hatenablog.com


 イスラエルについては、まだしもそういう関係にあるのはわかる。

 だがサウジアラビアについては、アメリカはとても日本に対して言ってくれているような「価値観を共有する同盟国」とは言えないはずである。

 思うにたぶん、アメリカとサウジアラビアの関係というのは、地球上で最も道徳的・理念的に問題のある同盟関係だろう。

 サウジアラビアが民主主義だとか男女平等を目指しているとか、いくらサウジファンであってもいささか歯切れが悪くなるはずだ。

 理念的にはサウジという国、アメリカが決して同盟を結んではいけない国の一つであるはずである。

 しかしトランプ大統領は、今のところ「厳しい処罰」はするものの、

 昨年サウジと結んだ1100億ドル相当の武器輸出契約を取り消すつもりはないとのこと。

 あの「メチャクチャ大統領」と一般に思われているトランプでさえ、サウジとの「絆」は取り消すことはできないらしい。

(もちろん、自国の武器業者への配慮が「絆」なんかよりは勝っていようが……)


 ただ、長い目で見れば、いずれアメリカとサウジアラビアは離れていくことになると思われる。

 というより、そうならなければおかしいと思う。

 かつてアメリカはイラン・イラク北朝鮮を「ならずもの国家」と呼んでいたが、21世紀の理念的基準で行けば、サウジだって「好ましからぬ国家」になるはずだからである。

 いずれオーストラリア大陸大陸移動で日本やアジアにくっつくのが確実であるように、

 サウジアラビアアメリカが離れていくのも、今世紀中には大いに確実性がありそうである。

(むろん、サウジの王制が倒れる可能性だってある。)

 確かに今すぐではないが、いずれ、数十年後には……