「世界最大の鳥」は、たった1000年前(平安時代)までマダガスカル島に生きていたエピオルニス・マクシムスだと決定したらしい。
とはいえもちろん「飛べない鳥」(走鳥類)なので、「飛べない鳥は鳥じゃない」という主義・好みの人にはややインパクトの弱いニュースかもしれない。
マクシムスは推定体重が860キロ、成体のキリンに匹敵する大きさだったという。
そしてマダガスカル現住民が「ボロンベ」(大きな鳥)と呼んでいたボロンベ・ティタンは、体長は平均3m超、体重も平均650キロだったという。
日本の居宅は天井高2.1m以上でなければならないと決められているため、まさに人間を「2階から見下ろす」ほどの巨大さだ。
何の偶然か、今年4月には「史上最大級の魚竜」が発見されたとのニュースもあった。
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魚竜の方はこれからまださらに巨大な化石が発見される可能性が高い(なにせ古い生物なのだ)が、鳥の方はさすがに本当にマクシムスで決まりだろう。
ところで恐竜が絶滅して以来、「二足歩行の大型肉食動物」というのは、なぜかこのマクシムスとかニュージーランドの巨鳥モアとかの鳥類だけにしか生じていない。
(「大型」の定義は曖昧だが、いちおう「人間から見て大きいと感じる」ということにしておこう。)
恐竜の後を襲ったはずの哺乳類が、ついにティラノサウルスのような二足歩行肉食獣を生むことがなかったのはなぜなのか、もちろん私にはわからない。
二足歩行の肉食恐竜は掃いて捨てるほどいたというのに、これは不思議なことである。
それどころか哺乳類は、二足歩行の「草食動物」さえ生み出さなかった。
恐竜にはイグアノドンなどたくさんの種類がいたのに、である。
(霊長類は二足歩行するかもしれないが、あれは「なんちゃって二足歩行」だと思える。たいていは手(拳)も使っている。)
その代わりに二足歩行肉食動物の座を独壇場化したのは、周知のとおり鳥類であった。
鳥は飛ばなくていいような環境にいれば割と簡単に飛ぶことを止め、ついでに巨大化もしやすいというのは、たぶん生物界の法則の一つだろう。
(とは言っても、キウイとかごく小さいのもいる。
しかしあれは、昔は大きかったのに今は小さくなってしまった、ということらしい。)
今、地球は「人間大の」二足歩行肉食+草食動物である人類の天下である。
これによって、二足歩行の大型鳥類・哺乳類が発生する可能性は完全に閉ざされている。
しかし人類が滅亡すれば、またぞろ飛べない――プロレスラーTAKAみちのくのように、「オレは飛べないんじゃなくて飛ばないんだ」と言うかもしれないが――鳥が巨大化し、大型二足歩行動物の座を奪還するのは想像に難くない。
はたして哺乳類は、今度こそ鳥類に対抗できる大型二足歩行動物を生み出すことができるのか、その候補は今のどの動物なのか――
私としては、それは手堅く霊長類であるか、もしくはクマあたりじゃないかと思っているのだが……