プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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阿波踊りの徳島市観光協会、徳島市が破産申し立て実行-ディズニー、USJの祭り受託はあり得る?

 日本人なら知らぬ者はなく、海外でさえも有名だという「阿波踊り」。

 その本場はもちろん、旧名・阿波国徳島県なかんずく徳島市だが――

 他ならぬその徳島市が、阿波踊り祭りを主催していた徳島市観光協会の破産を申し立てた。

 

mainichi.jp


 日本のほぼ全ての自治体に、観光協会というものはある。

 そしてほぼ例外なく、その自治体と観光協会は蜜月とも言えるような密接な関係にあるはずだ。

 おそらく地元自治体から補助金を受けていない観光協会は、一つもないのではないか。

 そんな中、地元自治体が地元観光協会の破産を申し立てるというのだから、極めて異例で尋常ではない。

 破産申し立てと言えば「自己破産」というように、破産とは自分自身が申し立てるものだというイメージが強い。

 しかしもちろん、債権者の方が「コイツを破産させてくれ」と裁判所に申し立てることもできる。

 当然その債権者はわざわざ諸費用を支払わなければならないが、それでも債務者があまりに不誠実だったりして「こんなヤツ潰してやれ」となることは、世の中にままあることである。


 なんでも徳島市徳島市観光協会に対し、年間2,200万円の補助金を支払ってきた。

 そしてそれとは別に、「もし観光協会が金融機関からの借り入れを返済できないときは、市が代わって支払う契約を結んでいた」とのこと。

 記事の最後には「市はこれ以上、代理返済をしないことを決定」とあるから、今までも「観光協会が借り入れを返済できず」肩代わり返済したことがあったのだろう。

 だから「もうこんなことは続けていられない」とばかり、わざわざ市が金融機関から約3億8000万円の債権の譲渡を受けて「観光協会に対する債権者」となり、自分から破産を申し立てたという流れだ。

 
 これはある意味、徳島市の「英断」である。

 なぜなら他の自治体であれば、たとえ不明朗会計が発覚しようと、

「やっぱり、いくらなんでも観光協会を潰すわけにはいかない」とかいって、

観光協会は“経営をスリム化すれば黒字化できる”と言っていることだし……」とかいって、

 破産申し立てなんてとてもできない場合が多いだろうからである。


 それにしても「阿波踊り」というイベント、一応は観光協会が費用を負担していた以上――

 反面、その収益も観光協会が手にしていたはずである。

 そしてその収益というのは、(全くの想像に過ぎないが)「莫大」というレベルの金額だったように思える。

 それでも累積4億3600万円の赤字を出しているのだから、観光協会の経営能力は低かったと言っていいような気がする。

(にしても、「雨天時のチケットの払い戻しなどで赤字が積み重なり……」と書いてあるが、そういうときのための「興行中止保険」って入ってないのだろうか?

 確かに、普通の保険に比べて保険料が高いのは高いが……)

補償プラン・保険料 | 興行中止保険 | 東京海上日動火災保険


 思えば「潰れないはずの銀行が潰れる/証券会社が潰れる」と言われた時代から数十年経つが……

 ついに、「潰れるってことがあるの?と思われていた観光協会が潰れる」時代も来たのである。


 さて、徳島市観光協会はこれで「倒産」するのであるが、徳島市はこれから市が責任を持って阿波踊り祭り(大会)を継続すると言っている。

 そこでふと思ったのだが――

 大手イベント会社、たとえばディズニーとかUSJとかが、こういう祭礼・大会の運営を受託する、という話はないのだろうか?


 天下の阿波踊りを運営するというのは、受託会社にとっても絶好のアピール・PRになるような気がする。

 たとえディズニークラスの会社でなくても、何らかのイベント運営会社が名乗りを上げれば、スゴいビジネスチャンスになりそうでもある。
 
 私はもちろん、「市が直接に阿波踊り大会を運営する」のは無理だと思う。

 だからといって、「市が阿波踊り大会を取りやめる」という選択肢はない。

 これはやっぱり、運営をどこかに委託しなくては済まないだろう。

(そもそも市の主催行事ではないのだから、委託だの受託だのという言い方もおかしいが……)
 

 別に私は阿波踊りに興味があるわけでもないが、この点についてはやや興味があるのである。