NHKを辞めてフジテレビの新番組のキャスターになるのも目前だった、登坂淳一アナ(46歳)だが――
『週刊文春』(またである)のセクハラスクープ報道を受け、事実は認めていないもののキャスター就任を辞退することとなった。
登坂アナと言えば、異常なまでの白髪ヘアと病気じみた顔立ちでよく知られているが、「麿」の愛称で親しまれているとも言われている。
しかしそれなのに「札幌局から鹿児島局へ」などという、どう見ても左遷人事をされ続けてきたことでも有名だろう。
つい先日、文春砲はオカダ・カズチカと三森すずことの交際をすっぱ抜くことに、まさしくオカダ&東スポ側のレインメーカー式切り返しによって失敗したばかりなのだが……
さっそく失点を取り返した形である。
さて、フジテレビは以前も例の「ショーンK」事件で似たような“失敗”をしたばかりだが、どうして身辺調査をもっとやらないのかと批判も相次いでいるそうだ。
しかしこれ、フジテレビを責めるのも酷というものだ。
誰かがセクハラだの不倫だのしているなんて、それこそ本式に取材しないとわからないことである。
(ショーンKの経歴詐称は、さすがにちょっと調べればわかりそうなものだったが……)
それに、民間企業が採用予定者の「身辺調査を強化すべきだ」ということは、要するに興信所を雇って身元調査しろということなのだが――
みなさん、本当にそうすべきだと思うだろうか。
もしそうなら、あなただってそうされるべきではないだろうか。
セクハラ(疑惑)歴のある人間がキャスターをやるのは不祥事だ、だから身元調査をしっかりやるべきだと思うなら、
裏で何をしているかわかったものではないあなた(に限らず、人間全員)の身元調査だって、入念にやるべきだと思うのが筋である。
何と言ってもあなたは地上波テレビのキャスターほどではないにしても、内部・外部の人間やお客様に接しているのだ。
裏で何をしてるかわかったものでないあなたがそんなことをしているのは、世間的に許されないことのはずである。
折しも1月26日、あのかつての超有名政治家・野中広務(92歳)が亡くなった。
言うまでもなく野中広務は、被差別部落出身の大政治家として知られている。
そして部落差別問題の中でも最も言われていることの一つは、「身元調査はやっちゃいけない」ということである。
ところがどっこい今現在、「もっと身元調査をちゃんとすべきだ」と普通に言われているわけである。
それでテレビ局が批判されたり脇が甘いと言われたり、「懲りないなあ」と嘲笑われてしまうのだ。
なんだかこのまま行くと、「身元調査をやらないなんて信じられない/けしからん」とみんなが思う時代になってもおかしくない。
野中広務が生きていたら何と言うか、感想を聞いてみたいものである。