11月7日、大分県弁護士会は、大分県北部のとある集落(の自治会長)に対し――
関西からUターン移住してきた男性に対する「村八分」を止めるよう11月1日付で勧告した、と公表した。
同じような勧告は、(やはり大分県内の集落に対し)2回出されてきたらしい。
前2回は非公表だったのだが、いよいよ業を煮やしたと言ったところか。
弁護士会というのは、何かと評判の悪い組織である。
憲法を守れと言ったり犯罪者の人権を守れと言ったり、いわゆる左翼の代表格として認知されている。
しかし今度ばかりは、弁護士会の見方をする人が大半だろう。
こんなニュースを聞いて「こんな田舎は過疎化で滅んで当然」と思わない人がいるだろうか?
とはいえこういう、いかにも前近代的で侮蔑すべき「村八分」――
これははたして、ド田舎のクソ老人どもの唾棄すべき醜行・風習・因習だと言えるのだろうか。
私にはこういうこと、日本全国でどこでも起こっているように思える。
いや、もっと言えば世界中で「村八分」現象って、あるものではないだろうか。
それは世界的大企業の中でも都会のママ友の間でも、もちろん学校でもナントカ同好会でも、ありふれた日常的な風景ではないか?
私は超能力者ではもちろんないが――
しかしこのニュースを聞いて「これだからクソ田舎は」「田舎ってやぁねぇ」と感じる人とまさに同一人物が、
自分たちのこととなると簡単に村八分の仲間に加わる情景が、鮮明に見えるような気がする。
むろんそれを「当然でしょ」とか「正義の一環」とまでナチュラルに思って実行している心象風景が、見える気がする。
人間って、自分の気に入らない人間には簡単にこんなことをするものである。
昔の村八分は、それでも火事や葬儀だけは村八分を解除していたものだと聞くが――
現代の村八分は(都会や企業の村八分は)、そんな解除もなさそうである。
この件を「いまだに封建時代みたいなド田舎の土人ども」の恥ずべき特質として叩くのは、もしかすると「目くそ鼻くそを笑う」の類いの話かもしれない。
都会の人だっていまだに封建時代の意識で生きていて、しかもそれが正しいと思っているのは同じなのだから……
tairanaritoshi-2.hatenablog.com