10月2日、元民進党リベラル派を代表する(と言われている)枝野幸男は、新政党「立憲民主党」の結党を表明した。
民進党代表の前原誠司が民進党を事実上解体し、小池百合子率いる「希望の党」への吸収合併の道を選んだことに対する――
そして小池百合子が「合流を許す旧民進党議員は選別する。リベラル派は排除する」との意志を明確にしたことに伴う、「リベラル派」の結集である。
tairanaritoshi-2.hatenablog.com
私はこのことについて、政治的意見や政略の当否について述べるほどの見識はない。
しかし純粋に思うのだが、この新政党「立憲民主党」というネーミングはスマッシュヒットである。
これだけでもこの政党は幸先のいいスタートを切ったと思うし、ニュースをよく見るような国民の間でずいぶん株を上げたのではないかと思う。
はっきり言って、この点だけは「希望の党」に圧勝している。
我々はもういい加減、政党の「ゆるキャラネーミング」にウンザリしてきたのではなかろうか。
ここ数年の日本の新政党名――現れてはあっという間に消えていった群小政党の名を通覧しただけで、いかにこの21世紀初頭という時代がフザケた時代だったか、後世の人には一目でわかるとも言えるだろう。
「太陽党」だの「生活の党と山本太郎となかまたち」だの……
そして小池百合子の党でさえも「希望の党」などというユルユルポエムの名なのだから、この現実政治がパロディそのものに感じてしまうのは全く無理のないことだ。
中でも最低最悪の政党名は「みんなの党」とかいうもので、大の大人の国会議員が揃いも揃ってこんなおフザケネーミングに同意するなど、ひょっとしたら全世界で日本だけではなかったろうか?
私は枝野氏ら民進党リベラル派の思想・信条に共鳴するかと問われればそんなこともないのだが、少なくとも名前のセンスのマトモさでは絶賛してもいいと思う。
(こんなこと程度でも絶賛せざるを得なくしたのが、今までの野党及び野党政治家だったのである。)
それはともかく立憲民主党の誕生によって、政党及び政界の思想勢力図が純化されたことは歓迎すべき出来事である。
確かにどんな政党でもみんながみんな同じ考えを持っていることはあり得ないのだが、それにしても民主党・民進党の「ごたまぜ」ぶりは、真面目な有権者をまごつかせるには充分すぎるものだったと言えるだろう。
それが鮮明に分断・色分けされることは、有権者にとって福音以外の何ものでもない。
こうなったら次は、民主党・民進党以上に「歴史あるごたまぜ政党」自由民主党にも、いいかげん大分裂してほしいものである。
これでやっと日本の政界は、
「立憲民主党」の左派(リベラル派)、
という鮮明に区分けされた“あるべき姿”になる気配になってきた。
むろん立憲民主党がまた分裂することは大いにあり得ることではあるが、それで政党の意見が純化されていくなら結構なことである。
むしろ一向に純化されずに永遠に清濁併せ呑むような政党の方が、はるかにデタラメなのである。
久々に登場したマトモな名前の政党「立憲民主党」が、どうやって左派を結集していくか――
(本当に日本中の左派国民を結集できれば、日本を二分する巨大勢力になれるはずだ)
日本の政治情勢が、プロレスのマット界のように面白くなっていくことを、ぜひ望みたいものである。