プロレスリング・ソーシャリティ【社会・ニュース・歴史編】

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大坂正明、ついに逮捕-21世紀の中核派は「変な宗教」になった

 あの“誰でも見たことのある有名人”大坂正明(67歳)が、ついに逮捕された。
 日本中の至るところに(20代の頃の)顔写真ポスターが貼られている彼を知らない人は、日本人にほとんどいないだろう。
 しかし彼は警官を殺して以来、それでも46年間も逃亡・潜伏生活を続けていた――
 そして最後に、広島市安佐南区のマンションで逮捕される結末を迎えた。

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 ※しかしこの隣の、「さわやか青年」がどうにも気になる……

 何でも彼は、大阪府警が「中核派活動家が兵庫県内のホテルへ偽名で宿泊した事件」に関連して広島市中核派アジトを捜索したところその場に居合わせ、捜査員に体当たりして公務執行妨害で逮捕されたらしい。
(つまり、大坂容疑者を狙った捜査ではなかった。
 なおこの活動家は、中核派「革命軍」メンバーの鈴木哲也(52歳)といい、昔から大坂容疑者の逃走を支援していたようだ。)

 67歳で警察官に体当たりするなどというのはけっこう世間で珍しくないことなのかもしれないが、警官殺しの活動家魂いまだ衰えずというところだろうか……
 
 さてしかし、「中核派」だの「革マル派」だの「過激派」だのと、名前だけは誰でも聞いたことがあるが、その印象と言えば“まだそんな人いるの?”というものであるのは諸行無常である。
 「日本赤軍」や「東アジア反日武装戦線“狼(オオカミ)”」(しかし、名前だけはすごくカッコイイ)もそうだが――
 ああいう団体は2017年の今、いやもう何十年も前から、日本人にとって「変な宗教」同然の扱いとなっている。
 彼らの構成員はそれぞれ3~4千人くらいのようだが、本物の「変な宗教」の方がもっと信者を抱えていそうだ。
 なるほど今でも若者が加入することはあるのだろうが、それはたぶん親がそうだから思想を受け継いだ(教え込まれた)からだという、家内制世襲のようなものになっているのだろう。
(そうでなく純粋に自分の意志で加入する若者というのは、まず間違いなく“変な人”と見なされる。)

 高齢化した彼らはやがて死に絶え、ますます「変な人たち」になっていく。
 そして1960年代~70年代に若者であり、熱気溢れる学生運動に参加していた人たちもまた、ほどなく死んで社会から退場する。
 いや死ぬまでもなく、若い頃のあの運動と思想とをとっくに忘れ去った人が大半であることだろう。
(そして今の日本の首相は、あの左翼過激派の大敵・岸信介の孫の安倍晋三だという現実――)

 今にしてみればあの熱気は、いったい何だったのだろう。
 世は移り変わり、熱気は忘れられ、人生は虚しい……
 合掌。